どうしたらわかりやすく伝えられるのか?

質疑応答トレーニングコース第5回から

現在開催中の質疑応答トレーニングコース(全7回)。
(コースの全体像の説明は下のリンクから)
臨機応変に質問に答える極意とは
このコースでは、答えを出す前に「応じる」というステップを大事にしています。
「応じる」とは、質問者の意図をより正確に把握するために、やりとりをすること。
相手の意図がクリアになると答えが絞られてくるため、大事なステップです。
第4講でその「応じる」を練習し、第5講の中心テーマは、わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか、ということでした。
コース全体を赤木コーチが担当する中、この回のみ私が担当させていただきました。
昨日の内容の一部をご紹介したいと思います。

目指すは相手の「納得感」

過去に人の話を聴いて、よく「わかった」という状態を思い出してみてください。
腑に落ちるという言葉がありますが、まさに頭の中の?マークが消えて、すっと力が抜けたような、スッキリしたような感覚になったのではないでしょうか?
人は「あたま」と「こころ」で話を聴きます。
「あたま」が求めるのは筋道が通ってわかりやすいこと。
「こころ」が求めるのは感覚・感情面でわかる、共感できることです。
両方がそろうと「納得感」が生まれます。
逆にどちらかだけだと、モヤモヤした感覚がどこかに残るものです。
理路整然とした話を聴いて、確かにそうなんだろうけど、素直に受け入れられない…。(こころが理解できない)
熱意は伝わってくるんだけど、そのやり方で大丈夫なの?と思ってしまう…(あたまが理解できない)
そんな経験はありませんか?
では「あたま」と「こころ」の理解をそろえるにはどうしたらいいのでしょうか?

「あたま」の理解のためには理由を伝える

論理的というのは結論と根拠の結びつきに妥当性があるということです。
「~だから〇〇に決めたよ」
と言って、「あ、そうなんだね」と頷かれれば、相手はその論理を受け入れたことになります。
わかってもらえないという場合は、理由をちゃんと伝えていないか、伝えたとしてもその理由に相手が納得できないということが原因であることが多いです。
なかなか納得してもらえないという相手には、理由の伝え方を工夫してみるのもいいですね。
日常会話にわざわざ理由なんて、と思われがちですが、一言理由を添えるだけで違いがあるものです。
特別な時にだけ論理的な話し方をしようと思っても、普段やっていないことはできません。
だから、一言根拠となる理由を伝えるということを私も日ごろから意識しています。

「こころ」の理解のためにはストーリーを活用する

ストーリーの中には、個人的な体験や誰かのエピソード、本で読んだことなど、まとまりのある話が入ります。
映画や小説は長いストーリーですが、その世界に引き込まれると感情が動きますね。
登場人物に感情移入して応援したり、苦しんだりします。
感情を通すと「あたま」の理解とは違う理解ができます。
「努力したら~ができた」「こういう体験を通して~と感じた」などの話は聴き手を惹きつけます。
惹きつけられることで共感モードになり、「こころ」の理解も深まるのです。

そして相手に配慮する

あとは、
比喩や例えを使って相手がイメージしやすいようにする。
言葉を選ぶ。
長々と話さず、できれば簡潔に…。
など、どうしたら相手が受け取りやすいかに配慮できたら最高です。
「わかりやすく伝える」の極意は、自分が言いたいことを言いたいように伝えるのではなく、相手を中心に考えることに尽きるのです。
そうは言っても、「わかりやすさ」は相手によって変わります。
だからこそコミュニケーションは興味深く、学びが多いのだと思っています。

(2019年11月17日 岩田)

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