質疑応答セミナーを受講して

チェック・インから充実

9月から質疑応答セミナーが開催されています。
7回シリーズでの開催で、11月8日は、第4回目でした。
毎回、詳細に要点の書き込まれたレジュメと共に、質疑応答の重要な柱である―観察力・認識力・応答力について、いろいろな角度から講義が展開されます。
それらを腑に落とし、日常生活に生かせるようにワークが組み込まれています。
本編はもとより、私はいつも開始時の「チェック・イン」と呼ばれている、参加者のシェアと、それに対する講師の応答コメント(時には、レクチャーも加わります)に、深い気づきがいただけ、大切なひとときになっています。
まるで、コース料理の前菜だけで満足をして、お腹がいっぱいになったような感じがします。

今回のやりとり

今回は、「承認欲求」が話題に上りました。
私達は誰しも、周りの人達から、愛されたい、注目を浴びたい、賞賛されたいという欲求を、多かれ少なかれ抱いています。
心理学の「交流分析」では、人との関わり、ふれ合い、言葉や身振りで相手に働きかけることを「ストローク」と呼んでいます。
誉める、微笑みかける、握手する…など、特に無条件の「肯定的ストローク」は、与えられた人に、自己重要感を増すと言われます。
「ストローク」は、「心の栄養」とも呼ばれています。
この欲求はいくつになっても大事だと思われていて、その思いは多分一生変わらないと言われています。
「ストローク」は、実は、日常のいろいろな場面でたくさんの人達からもらっているにも拘わらず、自分でそれらを食べていなくて、もっともっと欲しいと、飢餓状態にいる場合があります。
本人は気づいていなくて、謙遜美徳だと思っているかもしれません。
講師から、それは、無意識の中に、「受け取ってはいけない」という強い「ブロック」が存在している状態だと教えていただき、私は新鮮な驚きを覚えました。
このループから抜け出すには、受け取れないブロックが存在するという事実に、本人も周りの人も気づく必要があって、周りの人達は、その人が気づいて受け取れるようにサポートすることが大切だと言われました。
それが本当の意味での承認を伝え、与えることだとも。

観察力・認識力を高める

観察・認識を集中して進めていく中で大切なことは、相手の人に何が起こっているのかを見極めることです。
過去の記憶・経験・事例から事象を見て、そのどれかに当てはめようとすると、生きた観察ができなくなることもあるので、注意しなければなりません。
承認が受け取れなくて、まだ足りない、もっと欲しいと思う人は、承認のストロークが欲しいと熱望する反面、受け取ってはいけない、自分は受け取るに値しないという、拒否する声に支配されてしまうのです。
一体この人に何が起きているのか?
関わる私の中に、何が起きているのか?どんな感覚が生まれて来ているのか?
いま、どういう状態なのか?
対人支援に関わる以上、これらの質問に、しっかりと向き合い洞察して行く姿勢が問われます。
本当の意味での、観察する力・認識する力を養っていきたいと痛切に思わされました。

「人間力」を養う

質疑応答セミナーでは、最終「人間力」を養うことにも言及されます。
「人間力」とは、質問に対して適切な答えを出せる――この心境に達するには、相手に対して、自分に対しての信頼が大事になります。
問われたときに、自分の中に答えを探すのではなく、「質問する相手の中に答えがある」と信じて集中する。どんな状態でも、集中する意思を持つことが大切だと言われます。
・「場」を信頼する。
・「人生そのもの」を信頼する。
抽象的で、なかなか理解しにくいからこそ、継続したトレーニングが必要なのでしょう。
私は、質疑応答に関して、かなりの苦手意識がありましたが、学びを進めていくうちに、ほんの少し楽しくなってきていることに気づきました。
まだまだチャレンジしたいです!

(2019年11月10日 若杉)

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