桃太郎が1人称で語ったら?
1人称童話という視点が新鮮!
日曜日に、当講座でご縁のある方々と共に「美味しい絵本セラピー※」へ。
今回はリクエストして特別に開催していただきました。
(※以前の記事はこちらです)
読まれた絵本のひとつが、『桃太郎が語る 桃太郎 (1人称童話)』でした。
誰もが知っている桃太郎ですが、この本はちょっと違います。
桃太郎自身(!)の言葉で書かれているのです。
もちろん創作ですが、生まれた時のこと、鬼ヶ島で鬼と対面した時のことなどを桃太郎が語るという設定です。
ご丁寧に絵はすべて桃太郎目線。
だから桃太郎の顔は出てこないのです。
桃太郎は鬼ヶ島で、犬、猿、キジが勇敢に鬼に向かっていく姿を見ながら、足がすくんで動けなくなったと、告白します。
思わず不思議な気持ちになりました。
桃太郎が鬼に怯えながらも戦うための勇気を奮い起こしている姿をリアルに感じたような気がしたのです。
生まれつき勇敢なのではなく、私たちと同じように怖れを感じる桃太郎は、もはや昔話の主人公ではありません。
どこか身近な存在に変わっていました。
この企画を考えた方の発想に脱帽です。
(今後、シンデレラと浦島太郎が1人称童話に加わるそうです)
コーチングもまた1人称の話を聴くこと
自分のことを語ってもらうのは、コーチングも同じです。
相手が他の誰かのことを話題にしていても、「それでそのことをあなたはどう思っていますか?」というように、その人自身の言葉で話してもらいます。
すると、「私は~だと思っている」という1人称の答えが返ってきます。
普段思っていることでも言葉にしたとたん、「私って、~だと思っていたんだ!」と驚いた、という感想をいただくことがあります。
逆に、主語が3人称(私とあなた以外の第3者)だと、自分とは無関係な何かの話になります。
政治の話、芸能人の話、経済の話…。
自分に関係ないからこそ自由に話せるということもあります。
興味のあるテーマなら、そういう会話も楽しいものです。
常に1人称である必要はありませんが、自分が今どの視点で話しているのかを意識するのも大切なことだと思います。
ちなみに今回の絵本、下の3冊でした。
(國本ひろみさんのチョイスはいつも新鮮です)
真ん中は宮部みゆきさん作の本。
これはこれでいろいろな読み方ができる本でした。
また、浅田雅子先生のお料理、桃太郎はこんなデザートになりました。
(2017年7月18日 岩田)