一度しかない人生を「どう生きるか」

人生100年時代の光と影

半世紀以上前なら100歳まで生きる人はごく少数でしたが、今はさほど珍しいことではありません。
21世紀が始まった時点の日本での100歳以上は約1万5千人ぐらいだったそうです。
それが昨年秋には8万6千人を超えました。
10万人を超すのも時間の問題なのでしょうね。
長寿は素晴らしいし、少しでも長く生きたいと願う動物としての本能に叶っているとは思います。
先日も叔母と電話でこんなやりとりをしました。
「もう私も今年で80歳になるのよ」
「え、80?でも、若く見えるよね」
「最近の80歳は昔より若いからね、周りの人もみんな結構若いわよ」
そう、一昔前の70代、80代と現代の70代、80代、あるいは90代は違うのです。
見た目だけでなく体力も少し違うのかもしれません。

元気だからこそどう生きるのかが課題になっている

人類はいま長い人生をどう過ごすかという新たな課題に直面しています。
ベストセラー『サピエンス全史』を生み出したユヴァル・ノア・ハラリは、『ホモ・デウス』という本の中で人が不死と至福と神のような力の獲得をめざす未来を描いています。
長く生きたいという願望が不死の願望につながるのは始皇帝に限ったことではなく、力をもった人が最後に行きつくところなのかもしれません。
本のメッセージは、テクノロジーの進歩によって不死すら実現不可能とはいえないことへの警鐘になっていました。
それにしても、ある程度健康な状態で長く生きることができれば人は幸せなのでしょうか?
現役のときはリタイアして自由に時間が使える時を心待ちにしていたとしても、いざ毎日が日曜日ということになると、時間を持て余して困っているという話を聞いたことがないという人はいないでしょう。
子育てにせよ、仕事にせよ、ボランティアや趣味にせよ、やるべきことがあってある程度拘束されているのは、不自由さがある反面、幸せなことなのだと思います。
それまでの拘束がなくなったとしたら、新たに自らが行動を決め日常に規律を課していくことが必要になってくることでしょう。

100年カレンダー

最近見つけた本の中に、大住力著『一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる 100年カレンダー』というのがあります。
本というよりはワークブックといった方がいいかもしれません。
これまでの人生をふり返り、得てきたこと、学んだことを通して、自らの人生のストーリーを見出すというものです。
さらにこれから使える時間を可視化し、どう過ごすのかを決めていくための本です。
良さそうな本だと思い購入はしたのですが、実はまだ取り組めていません。
楽しく取り組むことを推奨されていますが、やはり人生をふり返るとなるとちょっとエネルギーが必要です。
今仕事や他のプロジェクトで追われている現状ではなかなかその一歩が踏み出せませんが、秋頃には一段落するので、向き合ってみたいと思います。
私は70歳には今抱えていることをある程度リセットしようと考えています。
その時にいろいろ考え始めていては遅いので、今から(あと数年…)準備しようとしています。
みなさんは晩年をどう過ごしていきたいですか?

(2022年7月24日 岩田)

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