物語の力

人の心を支えるもの

新年おめでとうございます!
年末年始はほとんど予定もなく、暇を持て余し気味なぐらいにのんびりしていました。
世の多くの方とともに今日から始動し、ブログもスタートします。
アクセス数のチェックなどはしていないので、誰がどのぐらい読んでくださっているのかわかりませんが、今後はできるだけ日曜日に更新したいと思っています。

さて、昨日から読売新聞に「ここにもニッポン」という特集記事が掲載されていて、面白く読んでいます。
外国人が見出した日本文化の魅力を伝えるもので、世界の意外なところで出合ったニッポンが紹介されています。
5回シリーズの第1回は昨日で、アメリカ流カプセルホテルが脚光を浴びているとのこと。
カプセルというよりはベッドだけの狭小空間を暫定的な住居にしたり、旅行で利用するというのが人気なのだそうです。
2回目の今日は、ブラジルで「癒し小説」と呼ばれる日本の小説が人気だという記事でした。
陽気だといわれるブラジル人も貧富の格差や犯罪の多発といった問題を抱え、心の不調を訴える人が増えているとか。
火付け役となったのは『コーヒーが冷めないうちに』という小説。
(映画化もされていますね)
コーヒーをカップに注いでから冷めるまでの間、過去に戻ることができるというファンタジーで、私も読んだことがあります。
ブラジルで開催された読書会の様子も紹介されていました。
参加者は登場人物に共感しながら、過去の自分と向き合いつつ、それぞれの感想を共有していました。
「癒し小説」には、万葉集の時代から連綿と受け継がれてきた日本人の文学的な情緒や感性がにじみでているのかもしれません。
記事の中で出版社の担当者は「日本の小説は、困難を抱えた人々の非常に複雑な感情をシンプルに表現することに成功している」と語っていました。

新しい年を迎えましたが、世界の混乱は一層深まっているようにみえます。
多くの人がさまざまな困難の中で生きなければならない中で、人々を支えるものは何か?
食べ物や生活環境はもちろんですが、物語の力も大きいのではないかと思います。
古来から人々は神話や伝承を心の支えにしてきました。
現代にあっては、小説や映画などがその役割を担っているのでしょう。
そこに描かれる物語から心を癒されたり、新たな一歩への勇気を得たりすることができます。
自分にとって大切な物語とはどんな物語でしょうか?
みなさまにとって、よき人との出会いとともに、よき物語との出合いのある一年になりますよう、お祈りいたします。

(2025年1月6日 岩田)

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