新しいコースを始めるにあたって

コーチとしてのメッセージ

1月末に予告いたしましたが、この3月より、個人セッション6か月コースをスタートすることになりました。

「自分らしく生きたい」
「自分のミッションを知り、それを追求して生きたい」

これらは、多くの人の中にある潜在的な願望と言えるのではないかと思います。
そしてその願望の奥には、「そうなれたらきっと幸せになれるはず」という期待と、「自分はいったい何のために生きているのか?」という問いがあるように思います。

私自身も、何度もこの問いを自分に投げかけてきました。
そして、このコースを始める動機を伝えるために、コーチである私のストーリーを少しだけご紹介したいと思います。

見えない壁の中で感じていた空虚感

生まれた時、実家は農家でしたが、4歳ぐらいの時に地域に温泉が湧いたことで、旅館を始めるようになりました。
周囲にたくさんの大人が出入りするようになったことで、人間の複雑さをその空気から感じ取っていたように思います。

ものごころついた頃には、いろいろなことを考えていました。
自分とは何なのか、どう生きたらいいのか、などという質問が次から次へと浮かんでいたように思います。
(多分私だけではなく、多くの子供が自然に発している質問なのかもしれません)
そして、よく孤独を感じていました。
ひとりの時はもちろん、誰かといたとしてもどこか孤独でした。
その孤独感から逃れたいという気持ちは強く、明るくて誰とでも仲良くなれる人に強いあこがれを抱いたものです。

そのために人に認められるようになりたいと思い、自分なりに努力した結果、それなりに人間関係を築けるようになりました。
が、おおかたの場合、人は嫌いな部分の方が目につくものです。
時々、友人や家族のちょっとした言動に失望しました。
そして、そういう自分が好きではありませんでした。
また、自分の性格や能力の中に、否定的な部分を見つけると、そんな自分はダメだという思いに支配されました。

思春期の頃、表面的には普通に暮らしていても、なんとなく狭い箱の中に閉じ込められているような感覚が抜けず、まわりの環境からも古い自分からも
自由になりたいと願いました。
大学入学を機に、家族から離れて暮らし始め、ある程度の自由を感じましたが、結局、私自身の根本的な部分は何一つ変わりませんでした。
そして、やはり見えない壁の内側にいる自分に息苦しさを感じていたのです。

表面的にはそれほど大きな悩みがあるようには見えなかったかもしれません。
が、自分内側の空虚感を人に知られることが恐怖で、ひたすら自分を出さないようにしていました。
時には他の人から評価されることもありました。
が、自分で自分を認められないため、その評価を素直に受け取ることができないばかりか、逆に自分の劣等感が浮き彫りになるような感覚になったものです。
そのせいか、コミュニケーションも苦手でした。
気を使って人と一緒に過ごした後、ひとりになるとホッとしたものです。

その後、仕事や子育てを経験しても、ずっと何か解決されていないものがあるという感覚がありました。
哲学や宗教的な本、自己啓発書なども数多く読みました。
そうした本を読むと、少し賢く世界を見られるような気になり、一瞬心が落ち着きました。
が、それは根本的な解決ではありませんでした。
しばらくするとやはり自分は変わっていないと気づくからです。

人生を変えた学びと気づき

転機は2006年にコーチングに出合ったことでした。その時、心の底から湧きあがるような喜びを感じたことを強く覚えています。
コミュニケーションが苦手だった私が、それを改善するための道具を手にしたからということもあったかもしれません。
が、それだけではなく、なんとなく魂のレベルで喜びを感じているという感覚でした。
自分の人生が変わるという予感だったのでしょうか。
その状態が1年以上続いたことは特に印象に残っています。

その後、さらに学びを深める機会に恵まれました。
どんな学びがあったのかを一言で説明することはできませんが、さまざまな自分の影の部分にも気づきました。
気づくことは、素晴らしいことではありますが、そのプロセスは苦しみを伴うこともあります。
それも受け入れていく中で、次第に自分を否定する気持ちが薄れ、ものごとのとらえ方も変わっていったのです。
そして、とらえ方が変わることで現実が変わるという体験もしてきました。

現在もまだ気づきの旅の途中ではありますが、今回このコースを始めることになったのは、この数年間で私が体験し、学び取ってきたことを、他の方のお役に立てるような形で、具体的に活かしていくことを決めたからです。

それは、誰かの人生の一部に対して影響を与えることになりますから、覚悟が必要でした。
逡巡もありました。でも、それをしないという選択はありませんでした。
今後、少しでも多くの方が自分の人生を本来の目的に向かって生きることができるよう、おひとりおひとりに真摯に向き合っていきたいと静かに心を固めたのです。

(2017年3月2日 岩田和美)

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