デジタルか紙か?

端末ばかり見ていると学力が下がる?

先週もAIのことを書いたばかりですが、その後読売新聞でスウェーデンが教科書を「紙」に回帰させているという記事が目に留まりました。
記事の内容を一部引用します。

IT先進国のスウェーデンで、授業風景が変わり始めている。2006年には学習用端末の「1人1台」の配布が始まり、教科書を含めデジタル教材への移行が進んだ。だが昨年、学習への悪影響があるとして、紙の教科書や手書きを重視する「脱デジタル」に大きく舵を切った。

2024年10月22日読売新聞

先の記事の中でも、認知科学者のトルケル・クリングベリ教授が、「学習の記憶は、どの辺りに書かれていたかといった物理的な位置情報とも関連しており、画面上の情報は記憶に残りにくい」と指摘していると書かれていました。
なるほど、確かに「本の前半この辺りに書かれていた」という記憶から、ページを繰り、目的の箇所を探すことはありますね。
私自身も電子書籍を便利に読んではいるものの、「これは紙の本でなければ…」とわざわざ紙の書籍を購入することがあります。
私の中での住み分けでは、一度に読み切ってしまえるストーリーは電子書籍でもOKです。
ビジネス書や哲学、心理学など、特定の箇所を何度か読み直したいようなものは紙の本の方がいいですし、ずっととっておきたい本も紙を選びます。
また、クリングベリ教授がいう物理的な位置情報というのは、私たちの身体感覚とも結びついている気がします。
何かを学び、自分のものにするためには、頭だけでなく身体全体で吸収することが必要です。
デジタルだと身体性とのつながりが一部失われてしまうのかもしれません。
デジタルと紙という問題は、人間の行く末にも大きな影響があるのかもしれないなぁと思った記事でした。

(2024年10月27日 岩田)

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