初めて訪れた神戸税関!

神戸税関

体験することの価値

厳しい暑さの中ですが、昨日は大学でご一緒している方々と神戸税関の見学に行ってきました。
正直なところ、税関というと空港で荷物のチェックを受けるときに接するぐらいの印象しかありませんでしたが、実際に行ってみると、まず建物が美しくてびっくり!
1927年に竣工した時計台のある2代目庁舎を保存・活用しながら、1999年に船をイメージした3代目の庁舎が造られたのだそうです。(上の写真はその模型です)
2代目庁舎が設計されたのが関東大震災のあとのこと。
担当した設計者が求められたのは大震災にも壊れない建築にすることだったそうです。
実際に1995年の阪神淡路大震災では隣接する他の建物が壊れた中で、この庁舎は建物自体に致命的な被害はなかったとのこと。
地盤に打ち込まれた多数の杭が建物を支えたのです。
百年近い風雪に耐えた2代目庁舎は今尚重厚感のある趣を醸し出していて、クラシックとモダンが調和した3代目庁舎(2000年に第41回建築業協会賞を受賞)と見事に融合しています。
他地域の税関の建築は知りませんが、こんなにステキな建物の中で仕事ができるって、ちょっと羨ましくなりました。

2代目庁舎の天井
3代目庁舎の吹き抜けロビー

まあ、私たちが歩いたのは見学者用のスペースだけでしたが、それでも初めてのところに行って、広報の方の説明を聴けただけでも、豊かな体験でした。
最近は観光の動画も無数にあり、ネットを通していろいろなところを訪問できますが、やっぱり実際に行って現地の空気を吸ってみなければ感じられないことが多いのではないでしょうか。
バーチャルリアリティの技術も進化してきていているようですが、五感で感じるものにどんな違いがあるのか?興味はあります。
そういえば最近「不気味の谷現象」という言葉を知りました。
これは人型ロボットやAIが生成した画像は人間らしい特性をもつにつれ好感をもたれるようになるが、あまりにも人間らしくなりすぎると不気味になるという説です。
1970年にロボット工学者の森政弘氏がエッセイの中で提唱したそうで、後年別の研究グループがその正しさを証明したともいわれています。
「谷」と表現されるのは、不気味に感じられたものがさらに人間に近くなると、また好感度が上がるとされるためです。
私たちの五感はどのように世界を受け取り、何を好ましいとするのでしょうか?
この先リアルとバーチャルの違いを比較できるような経験ができるかどうかわかりませんが、差し当たっては五感をフルに使って現実を味わっていきたいものです。

ちなみに神戸税関では11月9日(土)に誰もが参加できるイベントが予定されているそうです。
よかったら足を運んでみてはいかがでしょうか?

(2024年8月25日 岩田)

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