ささやかでも自分の殻を破る!
一人カラオケへのチャレンジ
まだまだ風は冷たいものの、陽射しはすでに柔らかい春の気配。
もうすぐ梅の花だよりが聞かれることでしょう。
先般、雪の残る京都で、「古民家農家民宿」に、友人達と一泊旅行を楽しみました。
囲炉裏を囲み、薪ストーブの燃える温い部屋で、夕食までのひととき、持参してくださった歌集片手に、懐かしい合唱が始まりました。
私も大きな声で張り切って歌い始めたのですが、あれあれ何と、音程が定まらないだけでなく、音域がとてつもなく狭くて、息が続きません。
「こんなはずはない…」と、頑張って声を張り上げれば上げる程、悲惨な状態に陥り、愕然としました。
「どうしたんだろう??」そう言えば、最近歌ったのは、孫への子守歌。
しかも、耳元でのささやき声で。
柔軟体操や歩くことなどには気を付けて、健康のための食事制限など、身体面では努力をしてきましたが、まさか、こんな声になっているとは…。
翌日から、朝起きた時や夜寝る前に、腹式呼吸や深呼吸を試みましたが、一向に改善されそうにありません。
そこで、思い切り大きな声を出せるところ…と思い立ったのが「カラオケ」でした。
「一人カラオケ?」――カラオケ店の前で、うろうろ躊躇して入れなかった友人の話も聞いたことがあります。
こんな些細なことに、とても勇気がいります。
「この年で、しかも一人!。恥ずかしい。お店にも迷惑ではないか…」
でも、今年は「苦手なことに挑戦する!」と目標を掲げたんだった…。
思い切って、カラオケ店の受付に行きました。
応対してくれたアルバイトの女性が、殊の外無表情で機械音声の言葉遣いだったことに、却って気が楽になり、「シニア会員券」まで作りました。
シニア(55歳以上)は30分110円。
1時間半(延長して2時間)の初の一人カラオケ体験!。
馴染み深い「美空ひばり」メドレーを中心に、20曲余りを熱唱(?)しました。
声が出たかどうか、音程がどうだったかはさておいて、懸念していたことに挑戦できた達成感で満たされた一日でした。
人生に張りが出る
何か新しいことに挑戦する、いつもと違う何かと出会うことは、人生に張りを与えてくれます。
「やれない、できない」と自信のない自分、劣等感を感じる自分。
無駄な努力だと、結果や効果を重視しがちですが、そんな思いが湧いたとき、私は「ハチドリの一滴」の童話を思い出します。
大きな山火事の燃え盛る炎の中に、小さなハチドリの嘴からの一滴の水は、実際には何の効果ももたらさないでしょう。
でも、ハチドリには精いっぱいの行為なのです。
「自分にはこれしか出来ない。何の効果もないかもしれない。でも、やらないという選択肢は自分にはない。」
この小さな行為が、沢山の力ある者たちの心を動かし、やがて大きな力となる。
たかが、一人でカラオケのお店に入って歌を歌っただけの体験記ですが、これからの私の生き方に勇気を与える、大きな一歩となりました。
先週のブログ「人生は『暇つぶし』?」の中に書かれていたように、視野を広げ、誰かのために時間を遣う――ためには、まず自分の殻を破ることから始めて行きたいものです。
(2019年2月24日 若杉)