人目を気にした生き方

無意識に習慣化されたマスク着用

桜の花も散り行き、緑の若葉が芽吹いてきました。
入れ替わるように、赤・白・ピンクの色鮮やかなつつじが咲き誇り、まさに春爛漫の好季節になりました。
この季節を迎える頃には、コロナの感染も徐々に収束に向かうのでは…との希望的観測を抱いていましたが、第4波到来と言われる昨今、強い感染力を伴う変異種の感染が急増して、猛威を振るっています。
テレビやネットで流れるコロナ関連のニュースに、やはり気が沈みがちになってしまいます。
そんな中で飛沫感染が主な感染経路だと分かってからは、マスク着用が絶対条件での行事やイベントが行われるようになってきました。
ふと気が付けば、マンションの外にゴミ出しに行く時も、当然の如くマスクを着用している自分が居ます。
早朝なので人に会うことも、ましてや大声で言葉を交わすこともないと思いながらも、マスクをつけることが当然のように習慣になっています。
「マスク警察」を恐れるわけではありませんが、「人目を気にしている」行為そのものです。

人の目が気になること

何をするにも「まわりからどう思われるだろう?」と不安になってしまい、自分の主張や行動に制約をかけて苦しんでいる人がたくさんいます。
正義感や常識という意識が強い、真面目な人に多く見られます。
誰しも人に良く思われたいとか、誰かの何かの役に立ちたい、喜ばれたい…という思いがあります。
それ自体は良好な人間関係に役立ちます。
が、人の目を気にし過ぎては、社会生活を送る上で、様々な支障やトラブルが出てしまいます。
新しいことにチャレンジすることも、誰かと深い関係を築くことも難しくなってしまいます。
思い込みや妄想で悩み苦しんでいる人からご相談を受けることがよくありますが、程度の差こそあれ、私の中にも同じような課題が潜んでいることに気づきます。
「気にしたくないのに、どうしても気になってしまう」
意識すればするほど余計に抜け出せなくなってしまいます。
人の目が気になるのは、個性の一つかもしれませんが、高じると、視線恐怖症、嫌われ恐怖症、対人恐怖症、また重症になると統合失調症の恐れも出てきます。

人の目を気にしてしまう本当の原因と対処法

原因を一言で言うと、「自信がないこと」だと言われます。
嫌われることが怖い。自分に自信がない。思い込みが激しくネガティブ思考に陥りやすい。
では、こんな傾向をどのように対処すればいいのでしょうか?
安心できる「居場所」を探すこと。
認めてくれる人を探す。
自分が納得することを第一にする。
「いい人になろう」「好かれる人気者になろう」と演じる自分から脱却する。
島国で閉鎖的な日本人は他の人種に比べ、世間体を気にし過ぎる傾向にあると言われます。

人の目を気にすることのメリット

では、これは善くないことばかりなのでしょうか?
すべてのことは、表裏一体。では、裏返して敢えてメリットを挙げてみると、人の目を気にするということは、周りをよく観察しているということになります。
よく観察していることで、周囲の変化をより早く察知できるという敏感さ、感受性が高いということが言えます。
また、人の目を気にするということは、周りに迷惑を掛けないように気を配り、ルールを守る真面目さ誠実さがあります。
ルールを守る几帳面な性格は、責任感も強い傾向があり、全体をサポートできます。
これからは良い面にも目を向けて、苦しんでいる人にプラスに生かせるようにサポートしていければと思います。

人目を気にせず伸び伸びしている子供たち

今日は、小学生の孫たちが近くの「十善寺」でショップを催すというので、応援がてらに行ってみました。
家から20分くらい坂を上ったところにある、950年続いた歴史のあるお寺です。
宗派を問わず、毎朝、登山会の方々の体操場としても賑わっています。
行ってみると、校区内の小学生や保護者達が数十人集っている、地元のイベントでした。
出展者は15件くらいで、手作りのゲームコーナーもあって、おもちゃや本、ぬいぐるみ、日用品、文具、小物…いろいろの品々が所狭しと並べられていました。
朝8時半から搬入して、夕方4時半に撤収というスケジュールで、本当に1日仕事です。
売り子の子供たちは、お客様に説明をしたり愛想を振りまいています。
「ごっこ遊び」ではなく、実際にお店で品物の売り買いをするのですから、とてもいい経験になります。
売れなければ値段を下げたり、お客様の交渉に応じたりしています。
子供たちの様子は、誰かに見せるための仕草でもなく、人の目を意識して行動しているようには見えませんでした。
孫たちは初めての出店だったようですが、楽しく経験できたらしく、また来月も参加を表明していました。
来月に向けて、出品できる品を吟味してやりたいと密かに思っています。
次世代の子供たちが、伸び伸びと自分らしく育っていく環境を地域ぐるみで作れるといいなと思いました。

主体的に生きた「マザー・テレサの言葉」

最後に、マザー・テレサの言葉を贈ります。

人は不合理、非論理、利己的です。
気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
気にすることなく、善を行いなさい。
目的を達しようとするとき、邪魔だてをする人に出会うでしょう。
気にすることなく、やり遂げなさい。
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。
気にすることなく、し続けなさい。
あなたの正直さと誠実さが、あなたを傷つけるでしょう。
気にすることなく、正直で、誠実であり続けなさい。
助けた相手から、恩知らずな仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく、助け続けなさい。
あなたの中の最高のものを、世に与えなさい。
けり返されるかもしれません。
でも、気にすることなく、最高のものを与え続けなさい。

(2021年4月11日 若杉)

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