区切りと新たなスペース

14年間の終わりの日

昨日は14年間続けてきた授業の最終日でした。
ひとりで担当するようになってからも丸11年。
それを今年で辞めさせていただくことにしました。
毎週土曜日の授業に合わせ、夏の8週間は、その授業とともに過ごしてきましたが、それも今年限り。
なので、昨日昼前に家を出るとき、帰宅時の気持ちがどうなっているのだろうといろいろ想像していました。
が、実際のところは「ちょっとホッとしたかな」ぐらい。
意外にあっけなかったのです…。
とはいえ、ここまでの時間には感謝しています。
始まった当初は、自分の未熟さを痛感するばかりで、むしろ苦しいことが多かった…。
必要に迫られ、内容や話し方を工夫し続けてきました。
今の自分で十分満足だというつもりはありませんが、この期間と試行錯誤がなければ、ここに至ることもできませんでした。

教えることは最上の学びをもたらす

最も効果的な学習とは、人に教えることといわれますが、まさにその通りです。
特にお金をいただいて説明しなくてはならないとなれば、必死にならざるを得ません。
時間を費やしている受講者のためにも最善を尽くす必要があります。
そうした強迫観念に追い立てられるように、自分を高めるための学びを続けてきました。
自分が楽しくて学ぶものに比べると、健全な動機づけではないかもしれません。
いつも下のような問いが浮かんでいました。
「どうしたらもっとわかりやすく説明できるだろうか?」
「そもそもじぶんはそれを深く理解できているのだろうか?」
自問もまた成長を後押ししてくれるものですね。
仮に習いたてのことであっても、習ったことを誰かに伝えるようにするだけで、理解が何倍も深まるということは、多分多くの人がそうした経験をされているのではないでしょうか?

新しい一歩のために

来年のオファーはまだですが、おそらく他の大学の授業は続きます。
これからも教える機会はしばらくありそうですが、ひとつスペースが空いた分、新たな何かを入れる余裕が生まれました。
私は不器用なので、いくつもいろいろなことを並行して行うことが苦手です。
だからゆとりができた分は、自分が知りたいこと、伝えたいことを中心に取り組んでいきたいと思っています。
きっと、これまで「~しなくてはならない」という制約で自分を駆り立ててきたことが多かったので、モチベーションの保ち方で慣れないところが出てくるでしょう。
それもまた新たな一歩。
自分のペースで少しずつ歩みながら、できる範囲で誰かの役にも立てたら、と願っています。

(2023年9月10日 岩田)

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