『ストア派哲学入門』の読書会から

読書会の醍醐味

今日は『ストア派哲学入門』の2回目の読書会でした。
この本は名言の日めくりカレンダーのように、366日分のストア派の哲人の言葉がだいたい毎日1ページ分、解説のような言葉と共に掲載されています。
読書会では毎回1か月分を読みます。先回は1月の部分だったので、今日は2月の部分でした。
2月のテーマは「情念と感情」。
まずはそもそも「情念」て、どういうこと?という疑問が参加者から出てきました。
ある辞書によると「心の底から湧きあがり、理性で抑えることができない強い感情」となっていました。
なるほど、自分でコントロールできない強い感情ということのようです。
確かに、情念という言葉からは重い質感を感じますね。
さて、読書会では1か月分のページを前半と後半に分け、参加者それぞれが気になった個所や、引っ掛かった言葉をシェアしています。
毎回3時間ですが、意外に短く感じられるのが不思議です。
シェアの際は、良いことが書いてあるからといってそれを鵜呑みにする必要もないし、賛同できないという意見も歓迎されます。
当然ですが、同じところを読んでも人によって受け取り方が違います。
これまでの人生の境遇や経験によって、人それぞれの考え方があるんだなぁというのが面白いです。

ストイックの深い意味とは?

ストイックという言葉は、自分を律し、禁欲的に生きるというような意味で、なんとなく窮屈な印象を受けます。
今日読んだ文章の中にも、「強さとは自分を保つことができる力のこと」というのがありました。
どちらかというと私たちはいかにラクをするか、いかに楽しむかという方向に向かいがちです。
ITの進化によって、手軽に使えるツールが多様化し、身近にあふれています。
一方で、何かが行き過ぎた状態になると、それに対して反対の方向に向かおうとする力が働くというのが大自然の原理だそうです。
最近、ストア哲学に関連する新しい本をよく見かけるようになったのも、ラクな方に身を任せることへのアンチテーゼなのかもしれません。
私自身はちょうど一年前から自分をつくり変えるために習慣を変えるということをやっています。
そして、新しいことに取り組み、習慣化するのがいかに大変なのか身をもって体験してきました。
目的を定め、怠けたくなる自分をコントロールしつつ、どうやって新しい習慣を根付かせていくのかを試行錯誤する中で、少しずつですがコツを掴んできた気がします。
(そうはいっても定着するまでは3年ぐらい必要かなと覚悟していますが…)
今予想できるのは、感情の赴くまま楽しいことを追求する人生というのも悪くはないものの、自己コントロールできる強さが身に着いた人生の方が、多分幸せなのではないかということです。
ストイックな人生とは実は、周りの出来事によって幸不幸が決まる人生ではなく、自らの力で幸せを獲得していくためにあるのかもしれません。
情報の洪水に流され、自分を見失いがちな私たちにとって、実践を重んじるストア哲学というのは、ダイナミックに変化する世界を生きるために必要なものではないでしょうか。
可能であれば、もう少し短い時間でオンライン開催も検討してみたいと思っています。
その際は良かったらご参加ください。

(2021年10月24日 岩田)

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