読書会を通して魂の旅をする

本を通しての対話も自由で面白い!

人との対話は思いがけない発見があり、私個人としては大好きです。
テーマのないところから、ふとしたきっかけで話題が立ち上がってくる対話も面白いですし、決まったテーマに対して話をするというのも良いものです。
読書会は前者と後者の中間のような存在で、ガイドとなる本はあっても適度な自由度があり、これもまた良し、です。
現在、対面とオンラインの読書会をそれぞれ月1回行っています。
当講座での読書会自体は2017年に赤木広紀コーチを招いての『コーチングハンドブック読書会』が始まり。
以後、自主的な開催へと移行し、現在に至ります。
スタイルとしては、1冊の本を半年から1年かけて少しずつ読み、感じたことを自由にシェアしていくというもの。
20~30ページの内容でも、参加者によってピックアップする箇所が違うため、毎回軽い驚きがあり、飽きません。
どんな言葉や文章に惹かれるのか?
それについてどう感じるのか?
具体的なエピソードがあれば、交えて話してもらうと、なぜその人がそれを選んだのかが伝わってきます。
すると、その発言に対して他の人が思いついたことや気づいたことを話していく。
そんな繰り返しで、対面は3時間もあるのに、意外にあっという間です。
日常生活でこうした対話の機会をもつことはあまりないため、参加者は毎回楽しみにしてくださっているようです。

人生の謎解き

今日は『「赤毛のアン」に学ぶ幸福になる方法』の最終日でした。
この本は10年以上前に読み、とても心惹かれたことを覚えています。
が、その後は記憶のすみに追いやられていたものです。
著者の茂木健一郎さんは冒頭で、小学校5年生の時『赤毛のアン』を読み、強く惹かれたものの、長くカミングアウトできなかったと書いています。
そしてなぜ自分が「アン」に惹かれたのか、この本を著すにあたり、ようやくその謎が解けたということが、あとがきに書かれていました。
茂木さんは小学生の頃からずっと謎の答えを求めて、生きてきたのでしょう。
人生を「魂の旅」という比喩で表していました。
魂の旅は心の中にモヤモヤとした何かを抱え込みながらさまよいつつ、進んでいくものかもしれません。
モヤモヤはただちに解消したいものですが、魂に至る道はそれを許してくれません。
答えのでない状態に耐える力を、ネガティブ・ケイパビリティと呼びますが、まさに茂木さんは長くその状態を耐え、『赤毛のアン』についての本を書くことで、その答えを得たのです。
導き出された答えは、私自身の魂の旅の答えとは表面的には違うものですが、根底には共通するものを感じます。
一度読んだこの本を、ふと思い出し、読書会の本として取り上げることになったのも、自分の魂の旅の目的を再度確認したかったからなのだと気づかされました。
誰にとっても、その人が心惹かれるものには、深いところにその人の魂が求めるものが眠っているのではないでしょうか。
そのような視点で、身の回りを一段深く見てみると、やがて大きな気づきにつながるかもしれません。

(2023年8月27日 岩田)

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