脳トレアプリから自分を知る

「もっと!」という願望

人類の進化は「こうなりたい」「もっと~できるようになりたい」という願望、欲望のたまものです。
以前にも書いたダニエル・リーバーマンの『もっと!』では、脳の神経伝達物質であるドーパミンはよく言われるような「快楽物質」ではなく、可能性にすぎないものを獲得したいという「期待物質」だと書かれています。
未知なるものを手に入れたいというドーパミンの衝動によって、私たちは新たなモノを創造し、能力を向上させてきたというわけです。
今日は身近な日常の「もっと!」に注目したいと思います。
みなさんはどんな「もっと!」がありますか?
「もっと良いものが欲しい」「もっと上手に話せるようになりたい」「もっとスリムになりたい」など、無数の「もっと!」がありそうですね。

脳トレアプリをしながら気づいた「もっと!」

自分が意識していることと無意識の願望の間に、思いがけないギャップがあったと気づくことがあります。
もともと私自身は、不自然に年齢に抗わないで生きていこうと思っていました。
が、深層では「もっと脳年齢を下げたい」と願っている自分がいたのです。
きっかけは昨年秋から続けている「毎日脳トレ」というアプリ。
毎日5分ほどの脳トレを300日以上続けています。
いくつもあるテストの中から3種類が選ばれ、反応の速度やミスの回数などの結果によってその日の脳年齢が示されるのですが、始めた当初は、月の平均脳年齢が48歳でした。
還暦を超えていたら、まずまずという気もしましたが、コツコツ続けているうちに、少しずつ平均が下がってきたのです。
今年3月には41歳、4月は41.2歳、5月が39.3歳、6月には36.9歳になりました。
7月は37歳。
このようにほぼ順調な減少カーブを体験していると、どうしてもさらに下がることを期待してしまうものです。
一般的には肉体の年齢と共に能力は衰えていくというのに、それに逆らいたいという衝動が生まれていることに気づきました。
ところが8月に入り、今のところ平均は41.3歳。
一気に4歳ぐらい上がっていて、ちょっと面白くない、なんとかしたいという気分になっているのです。
結局、「あ~、自分にも若さへの憧れがあったのだなぁ」ということを認めることになりました。
脳年齢のことにかかわらず、他の面でも「もっと!」はあるので、生涯仲良くつき合っていくものなのですね、きっと。

自分の状態や強み弱みを知ることにも活用できる

ところでアプリのテストでは、得意、不得意が分かれます。
言語力の成績は良いものの、並列処理や反射神経を求められると、とたんに点数が低くなります。
また、やり方に慣れたから点数が良くなるというものでもなく、疲れていて少し集中力を欠いているような時は如実に結果に反映されるのです。
そういう意味で良くできたアプリです。
7月より8月の成績が良くないのは理由がありそうです。
良きバロメーターとして、休息を心がけながら、過ごそうと思います。
日常のルーティンの中には、定点から自分の状態を客観的に知るツールとしての可能性があることに思いいたりました。
(2023年8月13日 岩田)

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