目的とゴールがはっきりしていれば途中は走りながらでいい
まず始めてみる
先日あることを形にするための話し合いがありました。
具体的にどのようにするのか?
私たちはその形をイメージし、言葉にしようとしていたのですが、ある人が「やりながら見えてくることがあるからそこはあまりはっきりさせなくてもいいんじゃない?」と発言しました。
なるほど、と思いました。
そういえば私がいつも行っているのもそれでした。
今回は自分は一員として参加しているので、完成形のイメージを全員が共有しなければならないと思い込んでいたようです。
日ごろセミナーのテキストを作るときは、まず始めてみるというやり方です。
タイトルだけはあらかじめ決まっていますが、実際にどのような構成にし、完成形がどうなるのか、手をつけるまではイメージがありません。
だから、毎回気が重い…。
タイトルだけが決まっていて、中身が空白になっているものを抱え込んでいる時というのは、結構苦しいものです。
その現実から逃げたくなって先延ばしにし、締め切りギリギリに苦しみぬいてなんとか形にするなどということを数限りなくやってきました。
追いつめられると力が出るというのは誰にもあることですが、もっと心の余裕があれば創造的なものにつながるのかなぁと思い、最近は自分を改造中です。
ということで先の発言からも、まず手をつけてみて、見えてくる景色を取り入れていくということをすでにしていると再確認しました。
(もちろん、人によってやり方があるので、最初からかっちりと枠組みを決めた方がいいという人はそうすればいいわけです)
まずパワーポイントの1枚目のスライドを作る。
ワードでタイトルを打って、1番目の表題をつける。
そこをスタートとして次を考え、それができたらその次を考えていく。
行き詰まったら手を止めて、料理をするとか、近所に買い物に行くとかして、一旦そこから離れる。
ありがたいことに無意識は中断している作業のことをどこかで記憶していて、ふとした瞬間に探し求めていた答えを教えてくれます。
無意識が答えを出してくれる機会をもつためには、物理的にその仕事から離れるということも大事です。
そうして次に進むきっかけをもらうと、また進めることができます。
やがて最後に到達したときは、「あ、ここにたどり着いたんだ」という驚きのような感慨が得られます。
それが面白い。
おそらく最初からかっちりと完成イメージを決めていたら、達成感はあるでしょうが、そうした驚きはないように感じます。
だからこそ目的とゴールは大事
上のようなやり方が機能するためには、目的が大事です。
セミナーのテキストを作るのだったら、「何を伝えたいのか、どんなことを得て、どのような体験をしてもらいたいのか」といったことが抽象化されたものになります。
それが定まっていないと、無意識も答えを出しようがないですし、仮に何か出てきても、その時の自分の気分が反映され、全体として見ると一貫性のないものになってしまいます。
さらにゴールを決めることは必須です。
この場合のゴールとはいつまでにどの形まで完成させるかということです。
つい怠けたくなる自分のために、ゴールは途中いくつも設けるようになりました。
何日の何時ごろまでにここまで仕上げる、という具合です。
途中のゴールをある程度クリアできていると、最終締め切り間際に慌てることは必然的に減ります。
自分の性格に合わせて工夫できていると、過剰に自分を苦しめずに仕事をすることができます。
とはいえ現実はなかなか理想通りとはいかないところもありますが…。
それでも過去に比べれば自分への信頼が高まり、余裕が出てきました。
自分という存在と付き合っていくことは人生の大きな学びのひとつです。
それもまた楽しいと感じられるようになったことで、年齢を重ねることも悪くないと思えます。
(2021年7月18日 岩田)