幸せは五感がもたらすもの

香りを日常に取り入れるようになった

五感は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚ですが、コミュニケーションではこのうちの視覚・聴覚、そしてあとの3つはまとめて身体感覚として扱うことが多いです。
実際には嗅覚・味覚は直接コミュニケーションに関わってくることがほとんどないので、私にとっては焦点が当たりにくい感覚です。
もちろんいい匂いは好きだし、美味しいものも好きですが、それが自分にとどのように影響するかまではあまり意識していなかった気がします。
それが、最近少し変わりました。
今年初め頃、家の中でしばらく置き去りになっていたアロマ・ディフューザーを見つけたのがきっかけです。
以後、これも置き去りになっていたアロマオイルを使う機会にもなると、毎日部屋の中で香りを楽しむようになりました。
アロマテラピーという言葉もありますし、検定試験なんかもあることは知っていましたが、自分で試してみると実感できることがあるものですね。
一般的な香りの効能というのはあるようですが、自分限定の効能というのも探っていくと面白いと思いました。
何種類か単独で、またはブレンドして試してみた結果、私の場合は講座のテキストを作ったりする時、気持ちを落ち着かせたい時は、ティートリーが適しているなと感じました。
今ではこの香りによって、やらなくてはというスイッチが入るようにもなっています。
英語ではTea Treeなので、お茶と関係があるのかと思って調べたら、フトモモ科という種類の木でオーストラリアの一部の地域でとれるそうで、アボリジニの人たちは薬用として幅広く利用していたとか。
自然の中で生きてきた人類は、その恵みもたくさん発見してきたのだろうなぁと想像します。
ティートリーの香りにオーストラリアの大地のイメージがプラスされました。

五感は重要な役割を果たしている

味覚も重要ですね。
新型コロナによって味覚障害が起きたというニュースを昨年よく目にしました。
風邪の時も食べ物の味がわからなくなることがあります。
何を食べても味気ないというのは、人生の喜びがすべてなくなったかのような気持ちになります。
反対に、美味しいと感じることができると、心が満たされます。
味覚と嗅覚はそうした根本的な喜びに直結しているようです。
一方で、危険を察知するのも五感の役割ですね。
賞味期限切れの表示はあっても舌で大丈夫だと判断できたら食べるという人もいるでしょう。
私もそのひとりですが…。
また私は鍋を火にかけたまま忘れてしまうことがあります。
鍋底が焦げつく匂いに、何度火事にならなくてよかったと感謝したか知れません。
五感が働いてくれることのなんとありがたいことでしょうか。

願望実現は五感が満たされること

私たちはさまざまな願望を抱きます。
こんな仕事が出来たら…
もっと自由な時間を持てたら…
たくさんお金を稼げたら…など
なりたい状態を考えると何らかのイメージがわいてくるでしょう。
五感には実際に外側にあるものを見る、聞く、感じるといった外的五感のほかに、頭の中の視覚イメージなど内的な五感があります。
内的五感によるイメージに伴い、身体が温かくなるなど身体感覚が変化し、同時にポジティブな感情が誘発されます。
ある願望には、それを手に入れることに付随する内的五感の感覚、さらにはそれによって喚起される感情への期待が含まれているのです。
つまりそれが実現したら幸せを感じられると期待するからこそ、望むわけですね。
願望は、実現することもしないこともあります。
願望を抱く時、その実現に向かって歩く時、一旦結果が出た時、外的・内的五感を通して私たちはさまざまなことをとらえます。
膨大な五感情報のうち実際に感知できているものは実は多くないといわれます。
目の前の景色をすべてとらえることもできなければ、発生している音のすべてを聞き取ることもできません。
しかし、焦点を当てようとすれば視界に入っていなかったものが見えるようになります。
内的な視覚イメージや音、身体感覚も注意を向けることで気づくことができます。
自分の外的・内的五感がとらえているものに関心をもつことは、日常を豊かに感じることに役立ちます。
そうした日常を過ごすと、願望を実現するプロセスもまたより豊かな感覚と感情に彩られ、実現するしないにかかわらず、価値のあるものになるように思います。
未来の好ましい状態を描きつつ、日常の五感の可能性も広げたいところです。

(2021年5月16日 岩田)

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