梅雨時あれこれ

かなり早い今年の梅雨入り

先週5月16日(日)、近畿・東海地方に、気象庁から梅雨入り発表がなされました。
これは平年より21日、昨年より25日早く、近畿では、統計がある1951年以降、最も早い発表となりました。
ちなみに沖縄・奄美地方はもっと早く、5月5日に発表されています。
梅雨の時期は、盛夏期に必要な農業用の水等を蓄える重要な役割がありますが、大雨による土砂災害の発生しやすい警戒すべき時でもあります。

思い浮かぶ梅雨の光景

災害が発生するほどの大雨や長雨は別として、「梅雨」の光景としてすぐに思い浮かぶのは、画家で絵本作家だった、いわさきちひろさんの、傘を差して長靴をはいた子どもの絵です。
生涯、「子どもの幸せと平和」をテーマに描かれた、優しい色の水彩画が多数残されています。
背景に青やピンクのアジサイが描かれ、雨に濡れた葉の上にはカタツムリやカエルが…。
同時に、童謡『あめふり』の歌詞とメロディーが浮かび、つい口ずさんでしまいます。
「♬♪ 雨雨ふれふれ 母さんが 蛇の目でお迎え 嬉しいな … ♪♬」
この歌は1~5番まで歌詞がついているの、ご存じでしたか?
『日本の歌百選』に選ばれた名曲ですが、それもそのはず、作詞:北原白秋、作曲:中山晋平(『てるてる坊主』『せいくらべ』も作曲)、という両巨匠の作品。
さらに、曇り空、雨の光景を彩るのは、何と言っても「アジサイ」の花。
原産地は日本で、古くから人々に親しまれて、最古の和歌集「万葉集」では、「味狭藍」「安治佐為」という字をあてて書かれています。
現在表記されている「紫陽花」は、検索によると、唐の詩人・白居易が別の花(おそらくライラック)に付けた名を、平安時代の学者・源順がこの字をあてたことから誤って広まったと記されていましたが、私は「アジサイ」にピッタリ当てはまる漢字だと絶賛します。
5月~7月にかけて咲く、最も雨が似合う幻想的な花。
先日娘から教えてもらったのですが、私たちが「花」だとみている部分は実は「がく片」で、4枚の「がく片」が多数集まってくす玉のようになって咲き、あたかも一つの花のように見せています。
野性の「ガクアジサイ」とは違って、人工的に品種改良された、いわゆる「装飾花」と呼ばれているものだそうですが、私は、学術的にはどうであれ、今見ている「アジサイ」が好きなので、どっちでもいいかなぁと思っています。
「アジサイ」の花言葉は:「一家団欒」「冷酷」「移り気」「辛抱強さ」と言われていますが、花の色によっても違っていますので、プレゼントされる時の参考にしていただければ。
青いアジサイ:「辛抱強い愛情」
ピンクのアジサイ:「元気な女性」
白いアジサイ:「寛容」
風情あるお寺の境内に植えられている「紫陽花」を同時に楽しむ、いわゆる「あじさい寺」と称される人気観光スポットは、日本各地に点在しています。
私は、大学では「古美術研究クラブ」に所属して、主に京都や奈良を随分訪れましたが、今でも古寺や神社巡りは大好きです。
緊急事態宣言が解除されたら、雨の中、「あじさい寺」をゆっくりと巡ってみたいと思います。

梅雨時の体調管理

くもり空や雨の日が多くて、ムシムシ、じめじめ…日常生活に様々な影響が現れます。
梅雨に起こりやすい病気や症状は、食欲不振、肩こり、だるさ、頭痛、めまい、集中力の低下、落ち込みやすい、やる気がでない、皮膚のトラブル…等々。
これらの原因の第一は、「湿気」です。
梅雨は湿気が多くて汗が蒸発しにくくなるので、なかなか体温が下がらず、しかも大量に飲み過ぎた水分が皮フからうまく排出できずに、体内に水を溜め込んでしまう人がいます。
「水毒」と言われていますが、むくみ、身体の冷え、胃腸障害といった症状が現れます。 
体調を壊す二番目の原因は、「気圧の変化」。
梅雨は低気圧が頻繁に発生するため、気圧の変化によって自律神経のバランスが乱れて体調不良になりやすい。
気圧や温度の変化で、片頭痛や緊張型頭痛に悩まされている方も多く見受けられます。
体調管理法としては、38~40℃のお湯にゆっくり浸かることによって汗をしっかり出す。
血行も良くなり、リラックス効果でストレスも発散できるとか。
半身浴でもいいそうです。
それとやっぱり運動は欠かせません。
日常で簡単に出来る体操や散歩などで、下半身の筋肉をUPして、リンパの流れをよくすることが大切なようです。

梅雨入りが早いと、梅雨明けも早い?

気象庁の担当者によると、「過去の統計からみて、梅雨入りが早くても梅雨明けが早くなるとは言えない」とのことです。
天候や自然界のことは、何が起こるか予測がつきません。
体調管理に十分気を配りながら、「梅雨時」を少しでも快適に過ごせる工夫を、日々していきたいものですね。

(2021年5月23日 若杉)

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