大切だから行動する

三春滝桜

桜前線北上中

コロナ感染拡大、第4波が懸念される中で、3月半ばから聞かれた桜の「花便り」に、ほっと心が癒されます。
日本は古来より桜の美しさや可憐さに心惹かれ、春の訪れを告げる存在としても愛されて来ました。
また、一斉にパッと咲いて満開に咲き誇った後、桜吹雪となってはかなく散っていく様は、「三日見ぬ間の桜かな」と言われるように、潔く散りゆく様子から死生観を考えたりする対象となってきました。
日本各地の桜(主にソメイヨシノ)の開花予想を結んだ「桜前線」が、今年は記録的な速さで北上しています。
予報によると、3月27日に仙台へ。更に4月11日には秋田、14日には青森へと進んでいくとのこと。
ちなみに、今ではおなじみの「桜前線」という言葉はマスメディアによって造られ、1967年頃から用いられるようになったようです。
「桜前線北上中」という報道に、私は日本全国が手を携えて絆を結ぶたすきリレーをしているように思われて、一人で嬉しくなってしまいます。
関西での桜の名所は、大阪城公園、兵庫では明石公園、京都の哲学の道、奈良公園、和歌山城などが挙げられます。私はやっと明後日に、大阪城公園にお弁当を持ってお花見に行く予定ですが、残念ながら満開を過ぎて「花吹雪」になる模様です。
まぁそれはそれで、味わい深い風情を楽しみたいと思っていますが…。
余談ですが、樹齢が長くて枝ぶりが見事なものが「日本三大桜」として特に大切にされていて、天然記念物や史跡名勝として国からも守られているようです。
福島の「三春滝桜」、山梨の「山高神代桜」、岐阜の「根尾谷淡墨桜」です。
時期を合わせて、機会があれば行ってみたいなと楽しみの宝箱に入れておきます。
それまでは、近隣の桜の花を愛でて、目の保養を!

桜に喚起される死生観

桜の木自体の寿命は長く、品種によっては100年以上を誇るものもありますが、桜の花はとれも短命です。
桜の花によって死生観に思いをはせたり、神聖視することもうなづけます。
桜とは話がそれてしまいますが、「死生観」については、ひとそれぞれの捉え方によって、ポジティブな発想・ネガティブな発想…など、様々に展開されていきます。
山崎啓支先生の『習慣化のシンプルなコツ』の著書の中に、「何に意識を向けるかによって、育つものが決まる」「意識を向けたものが強化される」という法則があると書かれています。
私がカウンセリングをさせていただくクライアントの方は、大抵ネガティブな妄想やイメージに取りつかれて悩んでいらっしゃいます。
私も含めて、人は誰でもその傾向は持っています。
例を挙げると、家族や親族に「認知症」になられた方が複数いらっしゃると、自分もいずれなるのでは…と不安に襲われて、意識のはっきりしている今の内に「遺言」や「覚書」を早く書いておかねば…と焦ってしまわれます。
そのことは、決して悪いことではありません。私自身も「終活」をテーマにしています。
問題は、「認知症」があたかも遺伝だと決めつけて、元気な今から自分も必ずそうなると恐れた生き方をすることにあると思うのです。
不安や恐れから、今を十分に生きることが出来なくなってしまいます。
生まれてきたこと、生きることの目的を見失って、本来の自分が見えなくなってしまいます。

老人力を存分に発揮する

人は誰しも加齢による様々な衰えは起こってきます。
赤瀬川原平氏の著書『老人力』での提唱のように、「物忘れが激しくなった」など老化による衰えというマイナス思考を、「老人力がついてきた」というプラス思考へ転換するユーモアたっぷりの逆転の発想ができるのは、素敵なことですね。
分かってはいるけれど、ネガティブ思考で慣れ親しんできた考え方を、すぐさまポジティブにというのは無理がありますし、現実的ではありません。
先述の山崎先生の著書の中で、「ネガティブな思考をポジティブな思考へと切り替えるには、良い悪いを判断せずに、ただ眺めてみる。そしてネガティブな思考を観察する。そうすると少しずつ落ち着いて見られるようになる。」と書かれています。
一方的に偏った自分の思考を、まずは中庸にもどすことを意識するのがいいようです。
勿論、心配なことも何かをするモチベーションになるので、やり始める時には効力を発しますから、悪者にせずに、少しずつ方向を転換すればいいと思います。
「嫌だから止める」、「やりたいからする」という自分の好き嫌いから行動するのではなく、「大切だからする」という考え方が一番大事だと結ばれています。
私達は、肉体の「快・痛み」や、感情の「好き・嫌い」、更に思考の「損得」…に捉われて、通常ではなかなか越えられません。

森田療法の教えに学ぶ

環境も自分自身もよく観察することは大前提ですが、悩んだり苦しんだ時に、私は若いころに学んだ森田療法による建設的な生き方を思いだします。
「森田療法」とは、1919年に森田正馬(もりたまさたけ)氏によって創始された、神経質に対する独自の精神療法です。
印象に残っている大切な教えは、「あるがまま」の考え方と、「目的本位」に生きる。
恐怖があってもその思い以上に大切だと思われる時には、「恐怖突入」をするということです。
人生は、成功と同時に困難が、喜びと同様に悲しみがもたらされます。
ここでは、森田療法について詳しくご説明することはできませんが、興味のある方は、是非紐解いてみてください。
森田先生は、日常生活を大切に生きること、建設的に生きることを推奨しています。
少し荒っぽい話し方になってしまいました。
今日の話の結論としては、ネガティブな思い込みやイメージに捉われて、不安や恐怖から焦った生き方に振り回されることのないように、冷静に、大切なことに時間も意識も使っていきたいということです。

(2021年3月28日 若杉)

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