クロノスとカイロス、2種類の時間

時間をどう感じるか

3月も下旬です。
毎年呟いていますが、元旦からの時間の過ぎ方のはやいこと!
それでも例年と比べると意識的に取り組んだことが多いため、「一体何をしていたんだろう」というような後悔がないのが救いです。
ある期間に満足しているかどうかを分けるものは、その時間を過ごした当人の感覚なのでしょう。
さて、今日は『習慣化のシンプルなコツ』の読書会、2回目でした。
毎回3時間ですから、決して短い時間ではありません。
が、終わった時に参加者の方から「あっという間でした」という感想がありました。
その方にとって楽しく有意義な時間であったことが伺われ、私たちも嬉しく感じました。
読書会に参加されるみなさんは毎回満足してくださいますが、人によってはこの3時間が苦痛に感じられるということもあるはずです。
時間の感覚とはつくづく不思議なものですね。
よく言われるのは2種類の時間、クロノスとカイロスがあるということです。
ギリシャ語でクロノスとは「時間」のことを指し、カイロスは何時何分という「時刻」を示すといいます。
一方でクロノス時間とは過去から未来に流れる一定の(客観的な)時間を表すのに対し、カイロス時間とは個人の主観によって速度が変わったり、ある一瞬が特別なものに感じられたりするようなものだともいわれます。
同じ体験をしても、楽しくてあっという間だったという人もいれば、終わるまでの時間が長くて苦痛だったという人がいるのは、カイロス時間の違いというわけです。

カイロスの時間を充実させるには

昨年、私は新しい習慣を身につけるために、「毎日3分神棚に祈る」というのを自分に課したことがあります。
簡単に神棚に手を合わせるだけなら苦もなくできますが、3分と決めるとかなり大変でした。
気持ちが集中できない時は、ただぼんやりとタイマーがなるのを待っていたようなありさまで、ちょっと自分が情けなくなりました。
一方で、ボーっとパソコンやスマホでネットを見ている時の3分はあっという間です。
3分どころか30分でも簡単に使ってしまいます。
同じ3分でも大きな違いがあるものですね。
早く過ぎるからいいというものでもなく、問題はその時間をどう過ごしたのかということです。
できるだけ満足度の高い時間を過ごしたいものですが、先日友人の話を聴いて、いいなと思ったことがありました。
それは今にできるだけ集中すること。
ご飯を食べている時は、しっかり味わう。
歩く時も考え事をしながらではなく、五感で大気を感じ、風景を見て、聞こえてくる音を聴く、といったことです。
同時に、そういえば私自身も過去にそれを意識しようとしていたことがあるのを思い出しました。
結局どこかでうやむやになり、時間に追われたり、無為に時間を使っていたりを繰り返してしまいましたが…。
今年は桜の開花が早いようです。
陽光の中、五感を稼働させて、クロノスの時間をできるだけ多く自分のカイロスとして特別なものにしていきたいなと思っています。

(2021年3月21日 岩田)

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