個性の活かし方

個性はどこから生まれるのか

コーチングのセミナーで、その人の資質、個性、強みについて考える場をつくることがあります。
資質、個性、強み…、似たような言葉ですが、私の解釈ではもともともって生まれたものが資質で、環境などの影響を受けて個性を形づくり、それがある目的に活かされるときは強みになると考えています。
もって生まれたものには遺伝的なものもあるでしょう。
そして育つ過程で遭遇した出来事や人との出会いによって個性が築かれていくのだと思っています。
その過程がどこだったかというのも重要ですね。
日本人の両親から生まれたとしても、日本で育ったか他の国や地域で育ったかによって個性も違ってくることは容易に想像できます。

人に個性があるように、国民性、民族性というものもあります。
個々の個性もその人が属する国や民族の影響を少なからず受けています。
私の中には日本人としての国民性と自分の個性が混ざり合っていることでしょう。
エスニック・ジョークを下に引用します。

【遅刻の対処法】
国際的な学会の場で遅刻してしまったために、発表の持ち時間が半分になった場合、各国の人々はどうするだろうか?
アメリカ人…内容を薄めて時間内に収める。
イギリス人…普段通りのペースで喋り、途中で止める。
フランス人…普段通りのペースで喋り、次の発言者の時間に食い込んでも止めない。
ドイツ人…普段の2倍のペースで喋る。
イタリア人…普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる。
日本人…遅刻はありえない。

『世界の日本人ジョーク集』早坂隆著より

ジョークなので極端です。
日本人全部が遅刻しないわけでもありませんが、傾向は確かにと思ってしまう説得力があって、クスリと笑いながらちょっと感心してしまいます。

これからどう個性を活かしていったらいいのか?

今回のように世界を巻き込んでの感染症ということになると自ずと各国の対応や国民の姿勢の違いが浮き彫りになります。
そこにも国柄が表れているようです。
国も人も他国や他者から学べるところからは学ぶというのは良いことです。
自分以外の存在はさまざまな刺激を与えてくれますから。
一方で、今何かがうまくいっていないと感じる時、丸ごと自分を否定したらさらにうまくいきません。
もともと他者と自分は資質も個性も違うからです。
日本人としての良いところは何かといえば、古来より大陸の技術や文化を受け入れ、それを洗練させてきたことではないかと思います。
自ら新しいものを発想するよりも、どこかで新しく生まれたものに工夫をこらし、より良いモノにしていくことを得意としてきたのではないでしょうか?
私自身をふり返っても創造よりは改善・改良の方が向いていると自覚しています。
ここまで複雑になった時代の中で個性の活かし方ということを考えると、もはやひとりでできることには限界があると考える方が妥当でしょう。
違う才能をもった人と組んで力を発揮していく方が、個々の不足を補えるとともに、各自の才能が何倍にも活かせるのではないかと思います。
そのためには協調して動けるようなコミュニケーション力も必要になってくるわけですが…。
同じように、さまざまな国柄をもつ国々が競争でなく、協調に向かって動いたら理想的なのに…とも思います。
もちろん、現実を考えると簡単ではないですが…。
新型コロナは新しい時代を拓くきっかけなのでしょう。
インドの神話には創造物の主・ブラフマー、維持を司る・ヴィシュヌ、破壊を司る・シヴァの三神が登場します。
創造の後、しばらく維持されたものが破壊されることで新たな創造がもたらされるというのは宇宙の理です。
国柄や個性の活かし方も新たな段階を迎えているのではないかと思ったりします。

(2,020年8月2日 岩田)

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