カウンセリングセッションの醍醐味

無意識から生まれた「プログラム」

「物事・出来事は、無色透明。私も人も無色透明。」と言われています。
それらに色付けをしたり、意味をもたらすのは、人間の中にある無数の観念(価値観など)です。
これらの観念は、人それぞれで、「体験」と「言葉」によって身につけられます。
NLP(神経言語プログラミング)では、無意識の分野から生み出されたこの観念を「プログラム」と呼んでいます。
プログラムは、各人各様の価値判断、思い込み、とらわれ、ネガティブな思い、フィルター、イメージを被せやすく、凝り固まると心身に支障をきたしたりします。
ものごとには、陰と陽、プラスとマイナス、光と影…と言われるような両面性があります。
もともとは無色透明のものなので、日常に起こる出来事をどうとらえるかは、自分次第です。
少し話が固くなりすぎましたね。
具体的に、今日の私の体験をお話ししたいと思います。
今日は、朝10時から「読書会」と称する対話会が予定されていて、私は途中寄るところもあったので、少し早めに家を出ました。
阪急電車からJRに乗り換えて、発車した途端に携帯が鳴りました。
今日の主催者からの電話だったので、小声で応対したところ、車中だと気づかれてメールで用件が送られることになったのですが、この時間なので休講の知らせかと思い、次の駅で下車して、私から電話を掛けることに。
やはり、複数の参加者のキャンセル事情のお知らせでした。
「出来事には、すべて意味がある。」――と、学びの中で承知していたので、ドタキャンにも冷静に対応をし、次回の約束をして、今日この後に予定していた図書館が在る駅に向かうことにしました。
車中、携帯電話のニュースに気を取られてしまって、ふと気が付くと、もう下車予定の駅に着いていたのです。
慌てて飛び降りて周りを見渡してみると、乗り過ごしたと勘違いして、急いで逆方向のホームに行って乗車。
一駅乗ったものの、何だか違和感があってまたまた下車。
ご承知のように、空間能力の乏しい方向音痴の私は、今どこにいるのか一瞬分からなくなってしまいます。
降りたホーム上でよくよく考えて見ると、初めに乗った方向で適っていて、もう一駅先で降りれば良かったことに気づきました。
いつもはどっと疲れが噴き出すのですが、今日はドジな自分にイラ立つことも情けなくて落ち込むこともなく、むしろ少し感謝していました。
と言うのは、図書館の開館時間は10時からなのでまだかなり余裕があったのです。
だから、迷うことで、時間調整をさせていただいたのかなぁと思えたのです。
その後、目指す駅に無事降りて、まだ時間があったのでまずは朝食を食べることにしました。
気分転換も込めて、いつもより贅沢な朝ごはんを注文。
クーラーが効いていて寒い中かなり待ったのですが、なかなか注文の品が届きません。
いつもの私なら、イライラそわそわ…が始まりますが、今日は大丈夫。
そこには、時間待ちをさせていただいているんだなと、勝手な感謝の解釈をしている私がいました。ひたすら待ったので、ひとしお美味しく感じられました。
お陰様で、目指す図書館には、開館5分前に到着。
このストーリーを組んだのは、私自身か、それともサムシング・グレートと呼ばれる偉大な宇宙の力か…は分かりませんが、刺激的な出来事でした。
どうとらえることが良いのか、つい正解を求めがちですが、どのようにとらえてもいいように思います。突然に休講になったことも、それぞれに意味があったのだと思っています。

目的を考える

私は、カウンセリングを主な仕事にしています。
最近、自問自答を繰り返している大切なことがあります。
それは、「何のためにセッションをするのか?」という問いです。
ある人は、それは「何のために生きるか?」と同じ問いだと言われました。
まるで禅問答で、すぐに答えがでるものでもないと思われますが、「分からないこと」「知らないこと」だからこそ、「何のために」という目的を考え続けることが大事だと思います。
カウンセリングの現場に訪れて来られる方は、いま困難な課題・問題を抱えていて、少しでもひも解くことができれば…という切実な思いをお持ちです。
狭く閉じこもった場から、少しでも明るさ広がりを感じていただければという思いから接していきますが、人と人との関わりにはマニュアルがあるわけでもなく、どうなることが正解なのかも分かりません。
人としての生き方、あり方が問われると、無力で非力な私は、身動きが出来なくて足がすくんでしまいます。
それでも、相手に寄り添い、共感して自分の問題だと真剣に取り組む中に、お互いの「場」に不思議とエネルギーが通ってくる瞬間があります。
この醍醐味があるからこそ、私は、カウンセリングを日々極めていきたいと努力する原動力になっていると思います。
情けは人のためならず」と同じように、「カウンセリングは人のためならず」ですね。

(2020年7月12日 若杉)

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