自分ではわからない自分の変化

どうしたら自分の変化に気づけるのか?

昨年ある場所でコーチングの講座を終え、みなさんとお茶を囲んでいた時、ある参加者の方から「今の岩田さん、たくさん話していますね」と言われました。
その方は10年ちょっと前、同じ場所で、コーチとしてはまだまだ駆け出しの私の講座を受けてくださった方です。
言われてみて思い出しました。
そういえば私、当時は講師でありながら、あまり話していませんでした。
スキルの説明をし、あとはみなさんの話を聴くことが多かった…。
そもそもコーチングを始めたのも、話すのが不得意だったからです。
コーチなら聴き手に徹して、人といい関係が築けると思ったから飛びついたのです。
が、結局教えるということになり、話す必要が生まれました。
それからどれだけ人前で話すことになったでしょうか…。
おかげでしゃべることに抵抗がなくなりました。
そして今の私は、本来自分はおしゃべりだったのにそうでないと思い込んでいたのではないかと疑っています。

ひとりの中にはいくつもの人格がいる

誰でもいろいろな面をもっています。
場面によっては全く人が変わったように見えることもあります。
私の中にも、理性的な人格から、なまけ者、慌て者、冷たい人格、場を盛り上げたい人格、など、気づいているだけでもいくつか中心的な人格があります。
おしゃべりな人格は子どもの頃から多分あったのでしょう。
ただ、成長するにつれ、好きなことをしゃべるより黙って人の話を聞いていた方がいいと判断し、その人格を抑圧していた可能性が高いです。
ではなぜ、よく話すようになったのか。
そういう機会が多かったことで訓練されたということは確かです。
今回気づいたのは、黙っていることで自分を守る必要がなくなったからということです。
人にどう思われるかをかつてほど恐れなくなっていました。
気づいたといっても、それは私に伝えてくれた人のおかげです。

フィードバックは貴重

自分で自分の姿は見えません。
人からのフィードバックは鏡のように自分の姿を伝えてくれます。
それは本当にありがたい。
当人は連続したプロセスの中にいるので、変化していたとしても気づきにくいものです。
「〇〇になったね」など、ちょっとした言葉から今の自分を知ることができます。
コーチングを続けていると、人の言葉や態度からいろいろな情報を汲み取ろうとする癖がつきました。

ところで変化にも好ましいものとそうでないものがありますね。
好ましくない変化に気づくこともしばしばです。
人間は右肩上がりに成長するなんてことはほとんどありません。
とにかく上がったり下がったりを繰り返します。
自分では上がっている思っている時にフィードバックをもらって、そうでなかったことに気づいたり…。
逆にそれほどでもないと思っていることに肯定的なフィードバックがあったり…。
自分の認識とのギャップも面白いものです。
フィードバックをもらえる時はありがたく受け取った方がトクだな、と思います。
その前にまずは自分の中のいろいろな人格にどんなものがあるのか棚卸ししてみるのもいいですね。

(2020年3月1日 岩田)

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