聴き方のレッスン(9)自分の反応を意識する

人の話にどう反応していますか?

「嬉しいことがあった!」と、目の前の相手がこの上もなく喜んでいる時。
その話を聴きながら、自分はどう感じているのか?
自分のことのように喜べるのか、
特に心が動かないのか、
はたまた、ちょっと妬ましさを感じるのか、
自分と比較してネガティブな気分になるのか…。

愚痴や他人の批判ばかりの話を聴く時。
一刻も早く逃げ出したいのか、
積極的に相手に同調したいのか、
そういう相手に批判的になるのか…。

私たちは人の話を聴く時、自動的にいろいろな反応をしています。
そして、意外にもどんな反応をしているのか気づいていないことが多いのです。

相手の喜びを自分のことのように喜ぶ自分も、
批判的な話に嫌悪感を感じている自分も、
ほとんど無意識に表れていて、その瞬間に自覚することは難しいものです。

反応は気づきの宝庫

たまたま自分の反応に気づくこともあるでしょう。
ただ、いつも気づくためには、自分の反応を観察する視点が必要です。

やっかいなのは、反応を通して「気づきたい自分」と「気づきたくない自分」がいることです。
自分にとって「いい人である自分」は気づきたい自分ですが、
妬ましさを感じる自分、劣等感を感じている自分など、「良くない自分」にはあまり気づきたいものではありません。

ただ、良いかどうかを判断しているのは自分です。
本当は、相手の話に対して自分が何かを感じているという現実があるだけです。
ネガティブな感情が全くないという人もいません。

反応は、自分の中に眠っているさまざまなことを教えてくれるものです。
私の実感では、良い悪いという判断をせず、ただそれがあることを受け入れることができると、人の話を聴くのが本当に楽になります。
そして目の前の人は、いろいろな気づきを与えてくれる貴重な存在だと、その都度再確認するのです。

(2017年7月15日 岩田)

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