コーチとしての実感

「人間観」と「あり方」について考える日々
最近、自分は人間を(そして世界を)どのように見ているのだろうか、ふり返る機会が多くなりました。
研修やセッションなどを通して、いろいろな方に出会うからでしょう。
コーチングに出合って約20年。
これまで一番ありがたく思っていることは、苦手な人が少なくなったことです。
むしろ、「この人はどんな人だろう?」という好奇心からコミュニケーションをとることが多くなりました。
かつての自分は、まわりに見えない壁をつくり、どこか人と関わることから身を引いていました。
今でもひとりになるとホッとすることは多いですが、人の話を聴くことにも喜びを感じます。
人と関わるのが苦手といいつつ、他者との関わりや承認を求める自分もいる。
人間とはそうした矛盾した存在です。
矛盾を前提とすれば、自分にも他者にも目くじらを立てることが少なくなってラクだな、と思います。
で、ますます人間ってどんな存在なのか、知りたくなります。
自分の人生のテーマは「人間について理解を深めること」なのだと、近年さらに実感するようになりました。
「人は何のために生きるのか?」という古典的な問いがあります。
古来より哲学や宗教、心理学などで多くの人が答えを模索してきました。
そうした探求の足跡を知ることも、私にとっては楽しいです。
最近興味深く読んでいる本が、『ユング心理学のはじまりとおわりとこれから』(猪俣剛 著)です。
読みながら、ユングが臨床や自身の体験から人間を深く理解しようとしてきたことが伝わり、刺激をもらいました。
コーチングでも、目の前の人の言動から何が伝わってくるのか、自らを静かに整え、感覚を研ぎ澄ませることが必要です。
怠け者と自覚しているので、前進と後退を繰り返すことになるでしょうが、そうした「あり方」を目指していけたらいいなと思います。
(2025年10月19日 岩田)





