日本のよさとは?

進化系の肯定的日本論

毎週土曜日に受講している「グローバルリテラシー」の授業で、昨日はウガンダ方のお話を聴きました。
質問タイムで、ある受講者から「実際に住んでみた日本の特徴を、どのように表現するか?」というような問いかけがありました。
彼から出てきた答えは「honesty(正直さ)」でした。
アフリカには汚職と腐敗が蔓延していて、せっかく国際機関などから援助があっても、途中で誰かの懐に入ってしまうということも多いのだそうです。
日本に来て学生として学び始めたのが3年前で、以後常に感動するのは、日本人の正直さだといいます。
確かに落し物が戻って来る確率が高いとか、よく耳にしますが、日本人がそこまで自分たちのことを「正直(あるいは誠実)」だと思っているかというと、よくわかりませんね。
自分たちが行っていることが当たり前のことと無意識化されてしまうと、殊更それを意識することは難しいものです。
こうして外からの視点を教えてもらうことで、「なるほどそういう見方もあるのか」と、やっと思うことができます。

最近前野隆司さん(先週、甲野善紀さんとの対談を紹介しました)の『幸せの日本論』という本を読みました。
日本人ほど自国論が好きな国民はいないともいわれるそうです。
確かにそうかも、と思いました。
「ここがダメだ」というような論調の記事や本も多いですし、逆に日本人は素晴らしいという礼賛型も同じぐらいありそうですね。
実際のところ、私たちは自国のことをどう思っているんでしょう?
確かに超高齢化社会を迎えようとしている中、課題も満載です。
かつての勢いのない日本に歯がゆさを感じている人も少なくないでしょう。
前野さんは「日本はこのままでいいし、自信を持っていい、もっと言えば、日本人とはこういう特性を持った人たちであり、それは欠点でも恥ずべきことでもない」ことを主張するために、この本を書いたのだそうです。
目指のは、否定系と肯定系の全体をシステムとして統合できるような、究極の実用的肯定版とか。
私にとっても、日本をとらえ直すのに役に立ちました。
興味のある方は一読をお勧めします。
伝統に培われた良さを失うことなく、時代の変化に柔軟に対応していけたらいいですね。

(2025年6月15日 岩田)

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