多様性はゆっくりと受け入れる

体験によって実感することから始まる…
コーチングを通してさまざま人に出会えることにいつも感謝しています。
この十数年間の自分自身の変化をふり返ると、我ながらずいぶん変わったものだと思います。
何より深く学んだことは、人はそれぞれ全く違う個性をもっているということ。
本当に当たり前のことですが、頭で知っているのと体験をベースとして理解していることはだいぶ違います。
話を聴けば聴くほど、
「そう考えるのね」
「そんなふうに感じていたんだ」
と、驚くことがしばしば。
これまでゆっくり時間をかけて、人はみなそれぞれの世界を生きているのだという現実を自分の中に取り込んできました。
それでも自分とは対極の考え方をする人に出会うと、驚いたり、違和感を覚えたりすることは変わりません。
反対に共通するところが多い人には安心感を覚えることも変わらないわけですが…。
多様性を受け入れることが大事だといわれて久しく、社会も企業もその方向に向いてきましたが、一方でその行き過ぎも指摘されています。
自分と異なる人、文化を受け入れるのは容易ではありません。
頭ではわかっていても、無意識は受け入れを拒みます。
違和感を抱えながらも、頭では「~であるべき」を受け入れたつもりになっていると、どこかで綻びが生じてくるのでしょうね。
一方で、違和感をもちつつも人と関わることで得られることもたくさんあります。
今大学のリカレント講座を再受講していますが、今年の講師の方は世界でさまざまな人の教育に携わってきた方です。
文化の違いを肌で実感した経験談が多数あり、とても参考になります。
昨日は、ほとんどの国民がイスラム教徒のアフリカのある国で、初対面の国際機関で働く女性に挨拶の握手を求めたら拒絶されたという話でした。
理由はイスラム教では女性がそうした場面で親族以外の男性と身体的な接触をすることは禁じられているからです。
頭ではそういった知識があっても、国際機関の人ならば違うのかもしれないと思ったそうなのですが、実際はそうではなかったというわけです。
異なる文化圏の人をより深く理解するにはやはり体験が一番です。
海外でそうした体験をすることはなかなか難しいかもしれませんが、今の日本にはたくさんの外国人もいます。
さらには同じ日本人でも育った環境が違えば文化が違います。
違いを見つけた時、自分がどう反応するのかを観察するのも自己理解につながります。
たくさんの人とコミュニケーションするのは楽しいですが、一方で私には結構疲れることです。
そういう意味で昨日はなんとなく神経が高ぶっていて、眠りにつくのが遅くなりました。
「無理せず少しずつ、楽しみながら」を心にとめておこうと思っています。
(2025年5月10日 岩田)