突き詰めると同じところに行きつく?

最先端科学と仏教哲学

オンライン読書会で、田坂広志さんの『死は存在しない』を毎月読んでいます。
今日は参加者の友人の方が初参加。
物理学を専門とされながら、現在人材育成や組織風土改革に取り組んでいらっしゃるTさんです。
私を含め他のメンバーは、興味津々でスライドを見せていただきながら、Tさんの説明を聴きました。
まさにミニ講演会と質疑応答の時間で、これもまた面白かったです。
Tさんによると、人はせいぜい4次元の世界しかとらえられないそうです。
で、今の物理学は10次元または11次元までを扱っているらしいのですが、それでもまだ進んでいるとはいえないのだとか。
「科学的であることは正しい」という観念はいまだに根強くありますが、その科学が私たちの認識できる範囲をはるかに超えている以上、もはや正しさを確定させるものなんて存在しないのかもしれません。
最先端である量子論も、あらゆるものは波であり、粒子の性質ももつということぐらいまでは私も知っていますが、感覚的に納得できない世界です。
田坂先生の本では無意識の世界にあるゼロ・ポイント・フィールドは、すべての叡智が集積した場であり、私たちが神・仏・天というような言葉で表しているものはそれだそうです。
Tさんにも意見を伺うと、全くその通りだと思うという返事が返ってきました。
そういえばかつて興味半分でカルロ・ロヴェッリという物理学者の『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』を読んだことを思い出しました。
著者は量子とその関係論的な性質について話す度に、よく「ナーガールジュナ(龍樹)は読んでみた?」と尋ねられたそうです。
2~3世紀のインド仏教の僧であるナーガールジュナの著作の中心となっているのは、「ほかのものとは無関係にそれ自体で存在するものはない」という単純な主張だそうです。
これがすぐに量子力学と響き合うと、カルロ・ロヴェッリは書いています。
物理学を突き詰めたところと、仏教哲学の世界に一致点があることは本当に興味深いです。
世界はまだまだ未知なる謎に満ちているんですね。

(2024年7月14日 岩田)

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