深奥を見る眼を養う

キンモクセイの香りに誘われて

乾燥注意報が続いていた中で、昨日の夕方から明け方に掛けて、久しぶりにまとまった雨が降りました。
朝起きてベランダに出ると、雨上がりで一層キンモクセイが甘い香りを漂わせ、しみじみと季節の移り変わりを味わいながら、ひととき内省にふけりました。
先日ちょっと時間があったので、ネットで気軽に「性格タイプ」のテストをしたことを思い出しました。
確か、100問くらいの問いがあったようですが、設問に「同意するか・しないか」の解答欄が何段階かに分けられていて、該当すると思う欄にチェックするものでした。

診断結果は、『領事』タイプでした。
少し興味を覚えたので、簡単にメモしたことを記してみると…。
「領事は面倒見が良く、社交的です。いつでも喜んで周りの人をサポートする人たちで、コミュニティを大切にします。」と書かれていました。
真偽のほどや詳細の記述はさておき、【外向型54%―内向型46%】。【直感型46%―現実型54%】。【論理型38%―道理型62%】。【計画型61%-探索型39%】。【慎重型61%―自己主張型39%】という結果でした。
わずかに差が出たのは、「道理型」「計画型」「慎重型」の部門。
「道理型」とは、喜怒哀楽が激しいタイプで、やさしさの表れだそう。
ドラえもんののび太くんちびまる子ちゃん、ワンピースではルフィなどがそのタイプとのこと。自分に照らし合わせてみて、あまりピンと来ませんでした。
計画を立てたり日々やるべきことを目標メモに書くのは、忘れっぽいことを補うためで、慎重型は、小心者で失敗を恐れ、細部にこだわる性質から、数値が高くなったのかなと、自分なりに納得しました。

あまり目的もなく受けてみたテストの診断結果よりも、回答に臨む中で、いろいろな人生経験を経て来て、極端に一方に偏る回答を避ける自分がこんなことにも顕著に表れていることに苦笑しながらも、思わぬ面でいくつかの気づきを得ることができました。
それは、気付きを得たというよりも、長年学んできたセミナーで教えていただいたことが浮かんできたことです。

《人には様々なパーソナリティが備わっていて、その全てが「対立するもの」ではなく、『表と裏』『光と影』『陰と陽』『プラスとマイナス』『メリットとデメリット』のごとく、相反する2つのものが大元では1つであり、密接につながり切り離せないもの、つまり「表裏一体」であり、共存していること。

また、どこに視点・焦点を当てるかで、評価や観方・捉え方が変わるだけで、備わっている資質や本質は同じ。表面だけを見ていては理解しにくいけれども、深奥を見る眼をもっていれば、何事にも動じることなく中庸で生きていくことができる≫
というものです。

残念ながらまだまだ未熟者で、エゴ中心的な生き方の自分が、これらの内容を理解してこの心境になるのは容易ではありませんが、この性格診断テストの結果にあまり心を動かされなかったのは、以前にセミナーで学んだ時よりも、ほんの1ミリでも深奥で受け止めて来られたのかも…と、一人でほほ笑みながら、もう少しだけ深掘りをしてみました。

「内実」を見る

普段生きている中で、事実・真実を見ているつもりでも、表面だけを見たのでは本当のことは分かりませんし、事実がそのまま事実とは限りません。
そこには「内実」があります。
表面のことに目を奪われ、一面的な見方になってしまったり、或いは、事実に心奪われ、内実を逃すことのないようにカウンセラーとしても肝に銘じる必要があると思い至りまし
最後に、同じ次元で共存する世界をお届けします。

詩人金子みすゞさんの詩に、「大漁」という有名な詩があります。
“朝焼け小焼けだ 大漁だ
大羽(おおば)いわしの大漁だ
浜は祭りのようだけど 海の底では何万の
いわしのとむらいするだろう”

(2023年10月15日 若杉)

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る