「人生でどんな問いを持つか?」が重要

「自分はどういう人間になりたいのか」

ブログを書き始めてから、「私は、何を伝えたいのか?」「いま大切なことは何か?」…を、ずーっと考えながら日々を過ごしています。
今まで大切に思っていたこと、日常での会話、体験、出来事…時にはテレビや雑誌の情報等に心を動かされたりします。
先日録画していた「林先生の初耳学」を見た時、そこで紹介された、田中泰延『読みたいことを、書けばいい』という本の解説に、とても衝撃を受けました。 私は、伝えたいことがあって、読み手に伝わるようにどう表現するか…が大切だと思っていたので、まずこのタイトルにとても興味を惹かれました。
録画を見た翌朝、早速書店に駆け込むと、何と放映日の翌日に、10冊置かれていた本がすぐに売り切れてしまったとのこと。
マスコミの宣伝力は大きな影響力があるものだと今更ながら驚嘆しました。
これもまた必然…と思い、では、今大事な情報は何かなぁと思って探し当てたのがこの本!

クリスティーン・ポラス著の「『礼儀正しさ』こそ最強の生存戦略である」

冒頭部分で、この本に出会えて良かった—と思える文章を見つけました。
20年にわたって、世界中の何万、何十万という人を対象に調査された結果得られた、重要な発見が 掲載されていました。
それは、どんな立場のどんな人であれ、仕事で成功するためには、自分にある問いかけをする必要があるということです。その問いとはたったひとつ。
「自分はどういう人間になりたいのか」
私が長年にわたって教えていただいた、大切な生き方の根本。何をしたいかではなく、どう在りたいのか…人間としての在り方、生き方の根本の問いが書かれていたのです。
この本は、礼節を高める素晴らしさについていろいろな角度から書かれています。
これは仕事に限らず、人生全般に通じることだと思います。
礼節のある人は、発想、情報、人をつなぐ役割を果たすことができ、優れたリーダーとみなされている人の多くが、他人から「思いやりがある」「協力的」「公平」という評価をされているとの調査報告もなされています。
では、他人に敬意を表し、礼節のある人はどんな態度をするのかというと、人に感謝をする。人の話は誠意をもって聴く。分からないことは謙虚に人に尋ねる。
人の欠点を挙げるより、良さを認める。成果を独り占めせずに分かち合う。冷静に振る舞う。
――などが挙げられます。

この本の結びでは、「礼節は人生に良い影響をもたらす」とのテーマで、
「あなたは果たしてどういう人間になりたいだろうか?」と、重ねて問われています。
簡単に答えのでることではありませんが、これらの問いを大切にして、日々をして行きたいと思います。

当たり前が真実ではない

もうひとつ、最近、感動した本(というより、写真集)があります。
夏休みも終わりに近づき、小学生の孫が宿題の読書感想文の課題に選んだ写真集です。
伊知地国夫氏の写真と文『そうだったのか! しゅんかん図鑑』という題名です。

この本は、普段何気なく見ているものを、その一瞬を「ストップ」させて切り取っています。
1秒に何千ものコマで撮影されたものが掲載されているので、肉眼とは全く別物が見えています。
子供達が、何だか面白いな…と思うことで、科学への興味の第一歩が開かれていくのでしょう。
大人にとっても、シャワーの水の「表面張力」の働き、せんこう花火の火花が散る時の残像のこと、シャボン玉が割れる瞬間、ポップコーンがはじける様子、水入り風船が割れる時の水の状態、ラケットで打たれたテニスボールのぺちゃんこになった様子…など興味深く、十分楽しめます。

私達は、普段自分が当たり前のように見えているものが、すべて真実だと思っています。
でも、人それぞれ見え方や色が違っているし、印象や感覚が違っています。
私は、この本を見ていて、カウンセリングをしている自分の姿勢を考えさせられました。
自分の捉え方、見方、感じ方…は、本当に相手の人の本質に到達しているのだろうか?
表面の出来事に惑わされていないか?自分の経験と知識からの解釈に終始していないか?
クライアントの中に眠る可能性にどれだけ確信が持てているのか?
視点や焦点を変えて見ることによって、いろいろな反省点が生まれてきます。
この恐怖は、なかなか辛いものですが、いつまでも持ち続けて行きたいとも思っています。
対人支援の仕事は、本当に覚悟が要るものだと改めて気が引き締まりました。

(2019年8月25日 若杉)

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