本の整理から連想したこと

モノの整理は心の掃除

14年間続けた授業が今月終了したことは、前回書きました。
気持ちを新たにしようとするときは、環境を変えることが役立ちますね。
旅に出られたらいいですが、その余裕がないときは、部屋の中を変えるだけでも効果があります。
というわけで先日、本棚を整理しました。
もともと90cm×90㎝の本棚、2本分ぐらいの置き場しかありません。
ちょうどいいのは、そこに本が8割ぐらい収まっている状態。
電子書籍の活用率が高くなっているとはいえ、紙の本も買うので、油断していると限られたスペースはすぐにいっぱいになってしまいます。
あふれそうになっている本棚は、心の状態を投影のようで、なんとなくざわざわします。
手元においておきたい本と、処分してもいい本。
それを分けることは、自分の判断基準を確認する作業。
もともとの数がそれほど多くないので、取捨選択し、配置を変えるのにも1時間かかりません。
が、終わった後の気分は格別です。
整然と並んだ本は全く違う空気感を醸し出し、今まで手にとらなかった本も読んでみようかという気になります。
本に限らず、身近なものを整理することは同じようなスッキリ感を生み出しますね。

実は危険な「捨てる快感」?

精神科医で禅僧の川野泰周さんという方が『半分、減らす。』という本を書かれています。
その中に「捨てる快感」と「手に入れる快感」は似ている
という言葉がありました。
確かにモノを買うことには高揚感があります。
私も、頑張った仕事のあとなど、ネットでお気に入り登録していた洋服の購入ボタンを押してしまうことが(よく)あります。
このとき、買えたという事実、届くまでの期待感に高揚している自分がいます。
実際には届いた品物を見て、「もうちょっとよく考えて買ったらよかった」と思い、一時の高揚感に踊らされていないかどうか自覚すべきだったと反省することも(少なからず)あります。
捨てるときも同様で、必要なものまで勢いで捨ててしまって後悔したこともあります。
油断するとつい行き過ぎてしまうのが、心の習性といえるでしょう。
ブレーキをかけることができる「意識」を育てておくことは大事だと思います。

「意識的」でいるために

意識的でいるということは、自分がしていることを俯瞰する視点があるということ。
その上で思考を働かせ、感情の暴走を防ぐこと。
意識的になってはじめて理性的な選択ができます。
言葉にするとシンプルですが、実行はとてもとても難しい。
私などは何度も苦い挫折を味わっています。
それでも向き合い続けると、工夫が生まれてきます。
先の『半分、減らす。』では、あらゆることを(消費も情報も仕事も…)「半分に」減らすことを目指すという工夫を伝えてくれています。
「半分」という基準は、直感的にわかりやすくていいなと思いました。
心がけてみたいです。

さらにできることは何でしょう?
ふと浮かんだ言葉は、「当たり前に感謝すること」です。
言い古され、ありきたりな言葉かもしれません。
が、これが本当に難しい。
戦争や自然災害、不慮の事故など、地球上には辛く悲しい出来事に見舞われている方々がたくさんいます。
今自分が享受している生活は実は当たり前などではなく、奇跡のようなものだと認識することが大事だと思います。
奇跡はいつかなくなるのかもしれません。
が、今が奇跡であることを認識すれば、自ずと感謝が生まれます。
感謝しているとき、私たちは意識的になり、それまでとは違う選択ができるのではないでしょうか?
本の整理から長い文章になってしまいました。
お付き合いいただいたみなさま、ありがとうございました!

(2023年9月24日 岩田)

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