忘れる力

見えているのに見えていなかった

先日電子書籍で田坂広志さんの『死は存在しない』を購入しました。
すでに読んだ本であることは間違いないのですが、本棚をさっと見渡したところ、見当たらなかったので、きっと図書館で借りて読んだのだろうと思い込み、購入ボタンを押したのです。
「電子書籍リーダーだと読みやすいな~」などと思いながら、読み終えたのが3日ほど前。
が、今日何気なく本棚を見たら、あったのです。
同じ本の紙の書籍が!
確かに見たはずなのに、全く目に入っていなかったということに驚きました。
とはいえ、こういうことは何度か経験してきたことです。
(みなさんもそうでしょうか?)
今回は紙と電子書籍でしたが、紙と紙というパターンも1、2度ありました。
しっかり見ているつもりなのに、なぜか目に入らないんですよね。
私の目はかなり節穴のようです。
次は気をつけようとは思いますが、忘れた頃にきっとまた同じようなことが起こるのでしょうね。

忘れることはよくないこと?

「記憶力がいい」という表現はどちらかといえば褒め言葉です。
実際に人の名前やその人にまつわるエピソードのことをよく覚えている人がいます。
私などは、名前と顔を一致させるのに時間がかかるので、ただただ羨ましいです。
また、知の巨人などと呼ばれ、膨大な知識を頭に詰め込んでいるような人には心から尊敬の念を抱きます。
自分がそうなれないから余計憧れるのでしょうね。
が、どんなことにも良い面と良くない面が共存しています。
記憶力が良いということは、忘れたいことも忘れられないということ。
そこに何らかの苦しみが伴うこともあるでしょう。
そう考えると、忘れやすいということにもメリットがありそうです。
最近の私自身は、良かったことも悪かったことも過去のものとして忘れていく傾向にある気がします。
(思い出そうとすればそれなりに思い出せるので、病的な忘れ方ではないと信じたいですが…)
よくいえば過去にとらわれず、今に生きられるようになったのか?
はっきりとは分かりませんが、失敗も(多少クヨクヨした後は)教訓だけ受け取って、引きずらなくなってきているようです。
まあ、もう少し若くしてそうなれたらよかったのかもしれませんが…。
いろいろ受け入れつつ年齢を重ねていけることは幸せなことと思っています。

(2023年6月18日 岩田)

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