表現することの可能性について考えた…

個展 Kayo Nomura Solo Exhibition…晴れやかな雨…
久しぶりに京都に行き、友人である野村佳代さんの個展を訪ねました。
(友人といっても、年齢は親子に近いぐらいなんですが、いつも全く違和感を感じないのが不思議です)
京都文化博物館別館のギャラリー。
旧日本銀行京都支店の建物だったということで、重厚な石造りに高い天井、趣のある木のドア。
落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
佳代さんの描く線の一本一本は、緻密であると同時に自由で、選ばれた絵の具の色とともに絶妙な調和を生み出しています。
小さなスペースでの個展ですが、そこにはやはり佳代さんがしっかりと存在していました。
変化を見届けながら思うこと
彼女が本格的に絵を描きだし、それを発表するようになってからがどのぐらいになるのか、正確にはわかりませんが、ほんの数年のことです。
初期の個展の絵は、動物をモチーフにしていました。
我が家にもグリーンの額に収まった小さなヒツジ(もしかしたらヤギかもしれない…)がいます。
そして、瞬く間に何度かの個展を開催…。
昨年はニューヨークでの個展も実現と、そのスピード感に驚くばかりです。
最近の絵は、初期の頃とはずいぶん違います。
その表現の変化は、まさに作家本人の内面の変化の反映なのでしょう。
きっと、この間にいろんな葛藤があり、たくさんの苦しみも体験したのだろうと想像します。
その上で今回の作品を見て、人は表現し続けることで、どこまでも成長するのだなぁと強く感じました。
これからも、彼女はこの世界を自身の感性で翻訳し、人に伝えるということをミッションにしていくのでしょう。
私もまた良き刺激をいただいて、自分の表現を磨いていきたいものだと思いました。
野村佳代さんのサイト
https://kayo-nomura.com/
京都文化博物館 arton art galleryのサイト(個展は6月30日まで)
http://www.arton-kyoto.com/
表現することの可能性
表現をするということは、自分の中にあるものに形を与えて、外に出すこと。
芸術的なことにとどまらず、行う、ふるまう、話す、書く、作る…など。
仕事の仕方も、生活の仕方もすべて私たちの表現です。
最初から何らかのイメージがあって、形にしたいと思うこともあるでしょう。
一方で、形にしようとしているうちに、あるイメージになっていくということもあります。
思いの中にとどまらせているだけでは自分にもそれが何なのかわかりません。
形にしようとすることではじめて、現実の中で生き始めます。
表現の場はすでにそれぞれに与えられているものかもしれませんし、新たに創造していくものかもしれません。
自分の中にあるものを外に出そうとした途端、試練も覚悟しなければならないでしょう。
それでも自分にしかできない表現を追求し、磨いていくことが、自分を生きることにつながる…。
今日はそんなことを考えつつ、休日でにぎわう京都の街並みを歩いてきました。
(2017年6月17日 岩田)