レジリエンスは鍛えることができる

オプションBを生きるということ

かつて、『リーン・イン』という本を読みました。
著者はシェリル・サンドバーグ。
フォーチュン誌の「世界で最も有力な女性50人」、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出されたフェイスブックCOO(最高執行責任者)の女性です。

2013年に出版されたこの本は、表紙の美しい笑顔に惹きつけられます。
この魅力的な女性が、家庭の幸せと自らのキャリア上の成功を手に入れるための歩みが記され、世界中でベストセラーになりました。
女性リーダーとなるための苦労も描かれていましたが、眩しいほどの存在感にただただ圧倒されたことを覚えています。
ところが2015年にその輝きが失われるような出来事が彼女を見舞いました。
心の支えだった夫が突然亡くなったのです。
圧倒的な喪失感は彼女を苦しめ、悲嘆の霧はなかなか晴れなかったといいます。
2017年に出版された『オプションB』では、彼女がいかにして立ち直ってきたかが描かれるとともに、過酷な体験を経てもしなやかな強さを身につけた人々のエピソードが綴られています。

裏表紙には、シェリルがカウンセラーであり、共著者であるアダム・グラントとともに笑顔を見せている写真が掲載されています。
『リーン・イン』の笑顔と比べると、こちらの方が穏やかに見えるのは彼女のストーリーを知ったあとだからかもしれません。
オプションBというのは、それまでの生き方(オプションA)を続けることが不可能になったのなら、新しい生き方であるオプションBを受け入れていこうという意味です。

レジリエンスとは立ち直る力

オプションAを手放さなければならない状況は、誰にも起こりうるものです。
災害や事故、病気、親しい人の死など、それらがいつ何が起こるのか、誰にも予想がつきません。
シェリルの言葉です。
「トラウマを経て成長できることを、私は身をもって学んだ。壮絶な経験を経てもなお強さを身につけ、より深い意味を見出すことはできるのである」
「そして、「トラウマ前の成長」も可能なはずだと、私は信じている。悲劇を経験しなくても、この先待ち受けるさまざまな試練のためのレジリエンスを育むことはできるはずだ」
私たちは逆境の中でも立ち直れる可能性をもっていることに勇気づけられます。
そして、立ち直るということはもとの自分に戻るということではないことがわかります。
同じ苦しみを抱える人への共感とともに、支えてくれる人への感謝が生まれ、誰かを助ける側に回るようになるということです。
レジリエンスは、自分で鍛えることができるという言葉が心に響きました。

(2018年9月16日 岩田)

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