固定観念が葛藤を生み出す

秋雨前線の停滞

私達がエネルギーを最も消費してしまうのは、葛藤している時だと言われます。
迷ったり葛藤している時は、何をしたらいいのか分からず、やる気も起こりません。
長くその場に停滞して、時々激しくせめぎ合いながらも、均衡が破れる時をひたすら待ち続けます。
では、その期間は全く意味がないかと言うと、そうではなく、新しいものを生み出すために大切な役割を担っていることに気づきます。
8月に入って、秋雨前線が日本をスッポリ包み込んで、停滞しています。
これは日本が、北極からの寒気と赤道からの暖気がぶつかり合う境目となり、大気が非常に不安定となって、各地で大きな災害をもたらすことにもなりました。
ぶつかり合った寒気と暖気が前線を挟んで、夏の空気と秋の空気が同じぐらいの力で押し合いをして、日本の上空を南北に上下するために、このような激しい長雨が続いているとのこと。

荒天の中のキャンプ参加

少し話が横道に反れますが、こんな荒天の中、孫たちが神戸YMCA野外活動センターの主催での「余島キャンプ」に参加しました。
瀬戸内海に浮かぶ小さな無人島「余島」。神戸MCAが運営する周囲2.2kmの自然豊かな島です。
小5の孫はアイランダース8日間、小2の孫は4日間の冒険キャンプジュニアに参加。
強風でテントが吹き飛ばされて、大雨の中で荷物を移動させながらの補強活動。
雨が止んだ少しの時間でのカヤックや海水浴。
天候に左右されることなく、いろいろな環境をみんな生き生きと楽しんでいます。
安全を第一に、企画や運営をされるスタッフの皆さんのご尽力を思い図りながら、この期間、毎日送られてくる「余島日記」を読んで、孫たちと共に家でワクワクと過ごしました。
先に帰ってきた次女に感想を聞くと、「楽しかった」という言葉のすぐ後、ジュニアグループでの食事の片づけと皿洗いを、率先して全部やったことを誇らしく報告してきたのが印象的でした。
長女は、溢れ出る思い出話を語り続けて、止まりません。
「暑くなったら海に入り、雨が降ったらテントに入る。風が吹いたらテントを抑え、テントが潰れたら建て替える。」最終日の夕方、大きな虹が掛かって、まるでメンバーを祝福するかのようだった…と。
まぁ、何はともあれ元気に笑顔で帰って来ただけで、一安心。これからゆっくりと話を聴きましょう!

良い悪いという価値判断を緩めよう

さて、話を主題に戻して。今学んでいるセミナーは、真新しい知識を得ることと言うよりも、すでに知っていること、大切だと分かっていること…を、日常生活で実践できるようにと整理していきます。
例えば、「全てのもの、全ての出来事は、表裏一体・光と影・長所と短所を併せ持っている」。
頭では分かっているつもりでも、つい私たちは自分の価値観で、当たり前のように好き嫌いや善いもの悪いもの…と決めつけてしまいがちです。
そこを今一度見直して、良い悪いという価値判断を緩めようと言うのです。
具体的には、自分で嫌なこと・嫌な人…と思うことの中に良い点を発見しようと試みます。
常識や固定観念に囚われていると、このワークはなかなか手強いです。
そこでテーマに沿って観察してみると、長引く秋雨前線の停滞は、洪水・土砂崩れ等の大災害はもとより、ジメジメと湿気が多くて洗濯物が乾かない…とか、マイナス点はすぐに浮かびます。
では、何か良いところは…?
例年、この時期は猛暑で寝苦しい毎日でしたが、今年は最高気温が30度を下回り、涼しく過ごしやすかったこと。
台風の発生が少ないのは、海水の温度が上がるのを抑えられているのでは…。
晴れ間の有り難さに気づいて、感謝の思いが湧く。――などが思い浮かびました。
また、参加期間中ほとんどが雨や風の影響を受けた、孫たちの余島キャンプ。夏休みの思い出として企画された当初のスケジュールは、大きく変更を余儀なくされたでしょうが、子供たちにとっては、滅多に経験できない沢山の気づきと学びがあったと思います。
家に居たら、雨続きで外にも出かけられず、ストレスが鬱積してしまいそうですが、大自然の中で過ごせることで、畏敬の念が湧き、感動を覚えることができたのでは。
キャンプに送り出す前は、中止になるのでは…と思っていたのは、荒天のなかに良い点を思い起こすことのできなかった私の固定観念だと反省しました。
良い悪いという判断が少なくなれば、今よりも「ありのまま」でものごとを観ることが出来ると思いますし、私の中の日常の葛藤も随分少なくなると思います。
意識してこれからも取り組んでいきたいと思います。
秋雨前線が通り過ぎると、秋晴れがやってくると言われます。
ゆく夏を惜しみながら、秋の訪れを心待ちにしています。

(2021年8月22日 若杉)

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