モチベーションとはそもそも何を意味するの?

辞書に載っている「モチベーション」への違和感

今やあらゆるところでモチベーションという言葉を目にします。
「部下のモチベーションを引き出すには?」とか、「仕事にモチベーションが湧かない」とか…。
私自身もモチベーションを研修の材料にしたりするのですが、時々モチベーションについての定義が曖昧になっていることに気づき、少しモヤモヤしていました。
そもそもモチベーションとは何を意味し、どういう状態を言っているのでしょうか?
ものごとを理解するためには、その定義を明らかにすることが重要です。
で、デジタルの辞書を調べてみると、「動機づけ」「意欲」「やる気」といった言葉がよく出てきます。
うっかり鵜呑みにしてしまいそうですが、そもそも「動機づけ」と「意欲」というのは同じなの?という疑問が湧いてきますよね。
モチベーションをテーマにしている本でも、そこのところは割に曖昧になっていることが多いので、なんとなく「モチベーションとはやる気のある状態のこと」という理解でいいかなと、自分を納得させてきました。
最近になって読んだ本がそのモヤモヤを少しだけ解消してくれたのでご紹介します。

神経科学によってハッキリした「モチベーション」の定義

『BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは』(青砥瑞人著)


神経科学は、この10年ぐらいで論文の数が飛躍的に増えていて、神経系を細胞や分子の機構から紐解く学問なのだそうです。
神経系の一部である脳の研究ももちろんその中に含まれ、その結果を人間理解や実際の生活への応用のため探究する「応用神経科学」としての役割を担おうとしたのが本書です。
専門書のようで難解なのかと思いきや、丁寧な説明がわかりやすく、かなり面白く読めます。
そして、くだんのモチベーションの定義が下のように書かれていました。

モチベータ=行動を誘引する始点となる間接的な原因
モチベーション・メディエータ=行動を誘引する直接的な体内(脳内)の状態
モチベーション=行動を誘引する直接的な体内(脳内)の状態を認識した状態

もちろん上の引用だけではよくわかりませんよね。
私が理解した範囲で例をあげてみます。
たまたま観た番組で誰かの言葉を聞いた、というのがモチベータ。
その言葉に感動し、自分もその人のようになりたいと気持ちが動いた状態が、モチベーション・メディエータ。
ここですでにやる気にはなっています。
モチベーションとはその状態を認知した状態。
つまり、やる気になっている自分を自覚している状態のことをモチベーションというということです。
脳機能としては、行動を誘引する(モチベーション・メディエータ)脳機能と、その状態を認知する(モチベーション)脳機能は別なのだそうです。

モチベーションがないということはない、らしい

上の説明ではモチベーションは自分を認識している状態のことです。
なので、実際には自分の内側で何かが発動していても、それに気づかなければモチベーションにはならないということになるんですね。
本では「メタ認知」という言葉が使われています。
「メタ」とは「高次の、越える」という意味に使われる言葉で、メタ認知とは、ある状態を体験している自分を俯瞰的に観ている状態です。
自分の中でちょっとした感覚が変わった、新たな感情が生まれた、ある考えが湧いた、などの状態に自分で気づくことですね。
せっかく何かが生まれているのに、それに気づかずに生きているとしたら、なんだか残念ですし、多くのチャンスを失っている可能性があります。
パフォーマンスを上げ、よりよく生きたいとは、誰もが願っていることだと思いますが、まずは自分のモチベーション・メディエータをとらえ、認知することが大事なようです。
そもそも自分のモチベータになりやすいものは何か?
それを通してモチベーション・メディエータはどうなるのか?
メタ認知により、モチベーションとなったそれをどう活かすのか?
一言でモチベーションといっても、関連する問いはいくつも生まれます。

みなさんのモチベーションは今どんな状態ですか?

(2021年5月2日 岩田)

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