今年一年を振り返って

思い込みのトリック

クリスマスの夜に、友人から一通のメッセージが届きました。
「こんにちは。自分の生まれた西暦の年と年齢を足すと、世界中の人が皆、2020になるそうです。今度、こうなるのは1000年後だそうです!!!   Merry  Christmas」
うわぁ~、思わず私は自分と夫の二人分、生まれた年と年齢を足して、「すご~い、本当だ!」今年は何と選ばれた素晴らしい年なのかと、感動しました。
一緒にこのメールを受けた人からは、「なった、不思議!面白い。世界中の人が皆が…素晴らしい。ありがとう」と大絶賛の声。
今日開催した対話会で、今年の総括をそれぞれが話すことになり、そこで私は得意げに満を持して、このメッセージを披露しました。
ホワイトボードに参加者の生まれ年と年齢を書きならべて、「ほら、みんな両方を足すと2020になるでしょ。次に同じようになるのは、1000年後だそうです!」
「すごーい、家族みんなの分もやってみよう。」とか、「今年は、みんなが一つになる大事な時なんですね。」とか、ワイワイ盛り上がりました。
会が終了して帰り支度をしていた時、一人の人が、とても言いにくそうに、「あのー、生まれた西暦の年と今のその人の年齢を足すと、誰もが今年の西暦になるんじゃないでしょうか?」
「え~っ!ちょっと待って!どういうこと?」
やっと冷静になって考えてみると、毎年誰でもホントにこれらの数字が一致するのは当たり前のことでした。そう、毎年誰もが今年の西暦になります。
去年も。一昨年も。来年も、再来年も…。10年後も、100年後も…そうなります。次に1000年も待たなくて良かったのです。
せっかく大いに盛り上がったけれど、事実が分かって、チャンチャン!
でもお陰で、大笑いして散会しました。
今年は特別。次は1000年後…という言葉のマジック、トリックにまんまと嵌ってしまいました。

私は最近よく、思い込みで行動したり行き違いが起こったりしてしまいます。
どこかで何か違和感を感じることもあるのですが、いったんインプットされてしまうと、なかなか訂正が難しくなります。素直にありのままを受け入れることは、至難の業です。
行き違いの誤解が生じた時、正解を聞いてなるほどそういうことかと、相手の言い分が正当だと頭では認めても、執拗に自分の事情が優先されて、感情がなかなか言うことを聞いてくれません。
人は、どうしても自分だけの非を認めたくないものです。本当に厄介なものですね。
だからと言って諦めてしまわないで、この「思い込み」の課題にじっくり取り組んでいきたいと思っています。

除夜の鐘に思う

今年も今日を除いて、余すところあと4日。
いよいよ年の瀬も押し詰まり、この一年を振り返って心身の大掃除をされていることでしょう。
今年は何と言っても、「新型コロナに始まり、コロナに明け暮れた一年」だったと言えます。
皆様に取りまして、今年はどんな年だったでしょうか?
日本漢字能力検定協会が全国から募った2020年を表す今年の漢字は、「密」。
コロナ対策で掲げられた「三密」のイメージが強く影響しているようで、他には「禍」や「病」も多く寄せられました。
テレビでの「今年の十大ニュース」や「年末スペシャル2020」などの報道を見ながら、静かに今年を振り返り、「ゆく年くる年」を迎えていきたいと思います。
「除夜の鐘」は、百八つの煩悩を祓うために108回衝かれます。
煩悩とは、人の心を惑わせたり悩ませ苦しめたりする心の働きで、108の由来は「四苦八苦」の「4×9プラス8×9=108」からきています。

基本的には、去りゆく年の幕切れとして大晦日の旧年中に107回衝いて、最後の1回は幕開けの新年になって衝かれるとのことです。
さて、今年の除夜の鐘は、私達の心にどう響いてくることでしょうか?
皆さま、今年も一年、本当に有難うございました。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
来るべき新年が、良き年でありますように心よりお祈り申し上げます。

(2020年12月27日 若杉)

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