同じものを見ても作られるストーリーはこんなにも違う

インナーチャイルドカードの会から

今日は年に一度のインナーチャイルドカードの会でした。
このカードは全部で78枚あり、モチーフは心理学のアーキタイプ(元型)に基づき、「赤ずきん」「シンデレラ」「ピノキオ」などというお話です。
それらがメタファ(隠喩)として作用し、無意識の中にあるものを呼び起こす働きがあるといわれます。

最初のカードを引くところ

今年も参加者の方々は予めテーマを設定し、カードを2回引き、順番に自分が選んだカードについて、それがどう見えるのかストーリーとして語っていかれました。
興味深かったのは、まったく同じカードを選ばれたおふたりのストーリーです。
「星に願いを」という名前のカードでしたが、語られたストーリーが全く違っていたからです。
当たり前ですが、描かれた人物の役割や性格、背景の意味など、あまりにわかりやすく目の前で違うストーリーが語られると、やっぱり皆違うんだ!と妙に納得してしまいました。
普段からのものの見方とその時のこころの状態が色濃く反映されるものですね。
今回オブザーバーとして参加させていただいたので、余計にそれを実感しました。

ストーリーは変えられる

さて私事になりますが、今日のこの会の直前にちょっと気持ちがモヤモヤする出来事がありました。
娘から「財布を失くした」という連絡があったのです。
過去にも2度ほどありましたので、まず「また?!」という怒りがわき上がってきました。
仕方なく、本人ができなかった分のカードの停止依頼の電話をカード会社にしましたが、なんともいえない気持ちでした。
この時点の私のストーリーは、「娘が普段から不注意だから何度もこんなことが起こる。これから社会人になるのに、もっとしっかりさせなくてはならない」というものでした。
そこには私という存在は含まれていません。
あくまでも彼女がダメということになっています。
が、気持ちが収まってから少し考えました。
「自分に関係ないことなどはないはず。
彼女が起こしたこの出来事は、私にとってはどんな意味があるのだろう」と。
そうはいっても自分ひとりで気づくことは簡単ではありません。
幸いだったのはたまたま今日、夜に同じ学びを共有しているメンバーとのセッションがあったことです。
それもクライアントでした。
自分でいろいろ話し、フィードバックをもらう中で、「過剰さが必要だった」という言葉が入ってきました。
私は、コントロールできる範囲で現実が進むことに強い安心感をもつため、コントロール外の過剰なものは無意識に拒絶しているようです。
その自覚もほとんどありませんでしたが、今日はじめて多分そうなのだと感じました。
だから娘が起こしてくれた出来事は「私にとって、私が無意識にさけているものを教えてくれた」とも言えますし、
「娘への反応をしかたを変えるよう努めることで、自分の枠を広げることに役立つ」とも言えます。
出来事を別の視点から眺めることができると、ストーリーは変わるものですね。
何もかも自分に関連づけて考えようとするのは大変ですが、感情が強く動き、相手を責めるようなストーリーが出来上がっていたら、それを見直してみる価値はありそうです。
娘も4月には社会人。
新たなステージに向かう前に、親としての私もテストを受けているような気分です。
みなさまには気になっているストーリーはありますか?

(2020年2月2日 岩田)

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