折形(おりかた)セミナーを開催して

『伝統の包みから学ぶ 日本人の思いやりの心』

5月25日(土)、受講者5名で、小池博美講師から折形、水引、熨斗の基本や作法を学びました。
折形とは、人に物を贈るために包む折り紙の方法で、日本の文化の造形です。
大切な人に真心を込めて何かを贈る時、飾る時、また保存したい物に出会った時に、それに見合った和紙を選び、ふさわしく美しい折形を、手間暇かけて自分の手で仕立てる。
渡した相手には、実に短時間で開けられるにも関わらず、日本人の「おもてなし」の心は、相手を思いやりながら準備する中に、充実した喜びを体験したことでしょう。

初めに、折形や水引などの基本と共に、歴史を教えていただきました。
折形は、室町時代に幕府によって「礼法」として確立し、江戸期に入り、紙と技術の発展によって、庶民の間で流行して、折り紙として発展してきたそうです。
(詳しく学びたい方は、『四季をよそおう折形』――折る包む 和の心――日本の造形『折る、包む』荒木眞喜雄著 淡交社 をご参照ください。)

和紙もたくさんご用意いただきました

初めての試みのセミナーなので、講義の時間よりも、実際に和紙や水引の引きを手に取り、金子包みや箸包み、水引の真結び、両輪(もろわな)結び…など、実践をして、テーマを体感することとなりました。
出来上がった作品を見せていただきながら、食い入るように見つめる熱心な皆さん。
そしてたっぷりの実践の時間。
折りも大変ですが、水引を3本、5本ときれいに揃えるのは本当に職人芸…。
それでも、盛りだくさんの課題に悪戦苦闘をしながら、お互いに教え合ったりして、真剣に作業を続けていらっしゃる姿は、とても美しく感じられました。

不器用な私は、初めの「金子包み」の段で、レポーターの役割をいいことに、早々とリタイア。
正直、ちょっと情けなさは否めませんが…。
その分、客観的に他の参加者の表情や取り組み方…などを見ることができました。
みなさん「難しい…」口ではおっしゃりながら、時間の経つのも忘れて作業に没頭して行かれていました。

最後の感想では、
「実際にやって見ると、難しかったけど、楽しかった。嬉しい」
「礼法」と言われるけれど、日常でも使えそう。アレンジしていきたい」
「自分の不器用さを痛感したけれど、楽しかった」
…と、皆様満足げに語っていただきました。

講師には丁寧に一人一人の疑問・質問に答えていただき、予定時間をはるかにオーバーしつつ、和やかな終了となりました。
また、折々に開催できればと思っています。

(2019年5月26日 若杉)

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