誰もが人生の冒険者
「ヒーローズジャーニー(英雄の旅)」
――誰もが人生の冒険者――
先月このテーマで講演したことをブログに書きましたが、昨日は後半部分を講演させていただきました。
神話は、人生の教科書とも言われます。
ジョセフ・キャンベルは世界の神話に共通する要素を「ヒーローズジャーニー」という形にまとめました。
旅は下の8段階に分かれます。
- 天命、使命、役割。
- 旅の始まり、冒険への誘い。
- 境界線、決断の時。
- 天使、メンター、仲間、支え、応援者。
- 悪魔、困難、苦悩、試練。
- 変化、変容。
- 課題完了。
- 帰還、故郷へ帰る。
「変化」から「課題完了」へのプロセスで得るものとは
冒険とは「日常が変わること」と前回書きました。
これまでの生き方が変わるような出来事は時に試練の形をとります(上の 5. 悪魔、ですね)
試練に立ち向かい、越えていくことで課題は完了しますが、これまでと同じ自分でいては越えられません。
「変化・変容」が必要です。
自分が変わることはもちろん、仲間や環境も変わることがあります。
変化を受け入れ、めでたく課題完了となると、帰還となります。
冒険というと、かなり大袈裟に聞こえますが、生まれてからこのかた私たちは冒険の連続を生きているのです。
未知の体験は誰にとっても、怖くて、しり込みすることばかりで、まさしく冒険です。
よちよち歩きのころから、幼稚園、小学校、中学校、高校生活……と、私たちは常に冒険者でした。
その時、その時の課題に取り組み、繰り返し繰り返し、ひたすら努力を重ねて、今日に至っています。
それらが冒険であったことを忘れているだけなのです。
だから特別なことではありません。
社会人になったり、子育てをしていても冒険はあります。
人間関係や、仕事の悩み、子育てや家族の問題など、それらもまた冒険なのです。
試練と感じられることに向き合いながら、応援者の助けも借りて、小さなことから一歩ずつ行動を起こしていくしかありません。
目の前の一つの課題を完了すると、大概次の課題が控えています。
冒険は次々とやってくるものです。
その積み重ねを通して、人は成長し、新たな自分を創っていくのです。
帰還、故郷に帰るとは?
冒険を終えたヒーローが還る場所はどこでしょうか?
小学校を卒業して中学校に入るように、新しい仲間、新しい環境で、新しい『居場所』が創られることもあります。
一方で、仕事や家庭などの場は、一見すると何も変わっていないように思われます。
しかし、冒険をひとつ終える毎に、その中身は確実に変わっているのです。
試練と思えた葛藤が薄らいだり、消えていたら、それはすでに冒険から帰還したということです。
帰還したあなたが得られることとは何でしょうか?
まずは自分でやるべきことができて良かった…と、ホッとするでしょう。
また、周りの人から、「あなたが居てくれて本当に良かった」「あなたが一緒で嬉しい」と言われるかもしれません。
ヒーローは、周りの人達にとって「大切な存在」になっていくものです。
また、ヒーローは「世界に活力を与える人」でもあります。
「生きる知恵」を、周りの人達に伝えることができるからです。
自らの冒険で得た「知恵」は、あなたの後ろに続く人たちすべての「宝」となります。
ふり返れば私自身も、つたない、ちいさな冒険から、学んだこと、気づいたことがたくさんありました。
その中で、大切だと思えることを自分の言葉で伝えていくこと、語り部になることが、自分の役割だと思えるようになりました。
7月1日(日)に予定している講演(詳しくは追ってご案内します)までに、またいくつかの冒険の旅に出たいと思っています。
皆様にとっての、「故郷に還る」は、どんなことでしょうか?
(2018年3月11日 若杉)