AIと良い関係を築くための人間力

カウンセリング力はAIの方が上?

私はコーチですが、カウンセリングとは一部境界線があいまいな部分もあります。
いずれにしても、どちらも対話を通して望ましい変化を促すものです。
さて、昨今生成AIの台頭が著しく、コーチやカウンセラーの役割もAIが担うことができるようになっているようです。
池谷裕二さんの『生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる』という本の中では、人間のカウンセラーとAIのカウンセラーのどちらが優れているかを比較した実験が紹介されていました。
結果は「AIのカウンセラーの方が良い」と答えた人が7~8割もいたそうです。
確かにAIはどんな話にも辛抱強くつきあってくれるし、何より共感力が高いと思わせるような受け答えが返ってきます。
カウンセラーと対面する遠慮や緊張感もなく、いつでも気軽に相談ができます。
他に2023年には、医師と生成AIの比較検証が行われたという論文が発表されたそうです。
ここでも結果は、生成AIの勝利。
会話の質、共感力はAIが人間の医師を上回っていたのだとか。
さまざまな職業が今やAIに取って代わられようとしているともいわれますが、対人援助の分野も例外ではないのでしょうね。
なんだかAIが心をもった人間のようにすら感じられます。
実際にはAIには「心」はないはずですが、本書の中で著者が、『サピエンス全史』を書いたユヴァル・ノア・ハラリの次のような言葉を引用していたのが印象的でした。
「鳥のような羽がなくても飛行機が鳥より速く飛ぶように、人間のような心がなくてもAIは人間よりも心をよく察知できる」
今後AIとどうつきあっていくのかは、誰にとっても大事なテーマになってきそうです。

ちなみにAIにアウトプットを求める際、プロンプトと呼ばれる質問(指示)を入力する必要があります。
池谷さんは、プロンプトを丁寧に書き込むほど、回答の制度が上がることを指摘しています。
生成AIの回答に満足できないという場合、そもそもプロンプトを作成する技量が問題である、と。
さらに、翻訳を求める際など、もともと日本語がうまい人は生成AIでもよい文章が書ける、と。
生成AIが翻訳しやすい日本語とはどのような文章かを考え、生成AIを気遣った文章を投げることができるかどうかだということです。
それは人間同士のコミュニケーションと一緒だ、と結論づけていました。
相手が生成AIであっても、人間であっても、相手が答えやすい問いを考える思いやりが必要だというのは、まさに目からウロコです。
コーチやカウンセラーが完全にAIに取って代わられる日が来るのかどうかわかりません。
当面はコーチとしてクライアントさんの世界を察知し共感することを磨きつつ、AIとの付き合い方も学んでいきたいと思っています。

(2026年4月5日 岩田)

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