奉仕の精神を意識する

春はもうすぐそこに

2月になると、3日は「節分」、4日は「立春」…と、寒さの厳しさは変わらないのに、何だか春の兆しがすぐそこに来ているようでホッと心が緩む気がします。
「節分」は「季節を分ける」ことを意味し、各季節の始まりの日(立春、立夏、立秋、立冬)の前日のことを指しますが、中でも「立春」は冬から春になる、1年の始まりの特別な日として、江戸時代以降からこの前日を特に祝う様になったそうです。
この日のイベントは、「豆まき」と「恵方巻きの丸かぶり」。
例年、当たり前の風習として行ってきましたが、ふと持ち前の好奇心が湧いてきました。
「福は内、鬼は外!」…と叫びながら豆を投げつける?
鬼すなわち邪気を外に向かって追い払うのは分かりますが、内に入れたい福に向かっても「豆」を投げつけるのは何故?
また、どうして「米」ではなく、「大豆」なのか…?

私のように疑問視する方も多くいらっしゃるようで、最近は、何でもすぐに検索して回答を得ることができます。
まず、「豆(マメ)」は、「魔を滅する(まをめっする)」の語呂合わせからも。
霊力があると言われる「五穀」(米、麦、アワ、キビ、豆)のなかでは、一番投げると痛いから「豆」を投げるという説も説得力があります。
更に、霊力があるので撒いた場所は清められて聖域となるという考えから、家の外回りを清め、同時に「福は内!」と、室内に向かっても力強く撒いて清めるとのこと。
そして、食べ物だから勿体ないというだけでなく、清めの力のある「豆」を拾って食べる。
我が家では今年、小袋入りの「豆」を買って、家の中だけで各部屋に撒きました。
掃除は簡単。豆もすぐに見つかりました。とても合理的です。    
「関わりのあるみんなが健康で、幸せに過ごせますように」、更には、世界の平和とコロナの収束の思いも感謝と共に祈りました。
そして夕食のメインは、「恵方巻き」。
今年の恵方は「北北東、やや北」。
江戸時代末期に、商売繁盛を祈念する大阪の船場から始まったとされるこの縁起物の風習ですが、今では関西だけでなく日本中に広がっています。
恵方を向いてこの巻きずしを一本丸かじりで、無言で食べきれば願いが叶うというもの。
縁を切ることなく、商売繁盛の運を一気にいただくという思いがあったようです。
七福神にちなんで、七種の具を巻き込むのがお約束とか。
七草粥と同様、主婦にとっては夕食の献立に悩まずに済む有難い行事の一つです。

地域猫「ミーちゃん」との出会い

昨今、厳しい寒さとコロナの感染拡大の影響も重なって、家に籠ることが多くなりがちです。
オンラインセミナーを録画で受講していて、内面を揺さぶられることがたくさんあります。
少し前は、「損得感情」に左右されやすい自分に意識が強く向きましたが、同じような言葉の「貪欲さ」という言葉に引っ掛かりを覚えました。
自己中心の思いから、利他的な思いになるのに、いわゆる「奉仕の精神」に生きると、心の波動が上がっていくことを学んだので、成果が上がるには長い時間が必要でしょうが、何だか努力したくなりました。
ちょうど長年続けている「対話会」に臨む日に、自分自身のテーマとして、「奉仕の精神で傾聴を心がけよう」と意識して出かけました。
開始時間までに少し間があったので、時間つぶしに近くの公園に寄ったところ、かなり遠くに一匹の猫を発見。風貌から、大切に可愛がられている飼い猫のようです。
堂々とした毛並みの良い三毛猫で、何と私としっかり目が合いました。
すると、ゆったりとした足取りで、真っすぐに私に向かって歩いて来ます。
恐れる様子もなく私の足元まで来て、顔を見上げてかわいい声で「にゃーにゃー」と鳴いています。私の方が何だか慌ててしまい、「ごめんね、今あなたにあげるものを何も持っていなくて…」と言い訳をしながら、思わずその場を離れてしばらく見ていると、ほんのしばらく毛づくろいをしていたのが、また私を見つけてまっすぐに向かって来ようとしました。
対話会でその話をしましたら、近所では有名な猫らしく、「あぁ、地域猫のミーちゃんですね。」と言われました。
飼い猫でもなく、野良猫でもなく、地域の皆さんが可愛がってる猫だと言うのです。
もとは野良猫だったのですが、ご近所の方たちがエサをあげたりブラッシングをしたりするうちに、いつしか懐いて人が大好きになったのだそうです。

奉仕がいつしか生きがいになる

一番お世話をされている方は、70代の夫人で、その方は長年に渡って毎日朝夕に、公園の清掃をされているとのこと。そう言えば、溝に枯れ葉一枚落ちていませんでした。
自発的に公共の場を、何十年にも渡っての、文字通りの「奉仕活動」。
綺麗な清掃のお陰で、大人も子供も大切に利用されているのが分かります。
その方にとっては奉仕というよりも、生き甲斐であり、人生そのものなんだなと、まだ見ぬ人ですが、温かい感動と尊敬の思いが湧いてきました。
大事だと思うから行う、心からやりたいと思うからやる。なんと素敵な生き方だと思います。
この、人間大好きな「ミーちゃん」が育ったのもうなずけます。
まだまだ私は、意識して目標にして努力する段階ですが、積み重ねて行けばいつか自然と自分の生き方になる…と自分自身を信頼して行こうと思います。
次にミーちゃんに会ったら、私の方から近づいて抱き上げて、健康にいい食べ物をあげたいなと楽しみに思っています。

(2022年2月6日 若杉)

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