私にできる利他の生き方
私に足りなかったもの
私は幼い頃偉人の伝記を読むのが大好きで、全集を買ってもらったり図書館で借りたりして随分たくさん読んで、生き方や在り方に感化を受けて来ました。
そのせいか、正義感や善悪にはとても敏感でしたが、日常生活での自分の言動とのギャップが大きくて、葛藤の多い毎日を過ごしました。
大人になっても、「使命感、ミッション、責任感」という言葉に激しく反応しては(今思うと、魂の願いに応えられない)、反動で落ち込んだり劣等感や罪悪感・絶望感に苛まれて来たように思います。
そもそも「使命感」とは、「何かを任された時に、それをやり遂げようとする強い意思のこと」。
まあそれなりに、その都度ある程度は果たして来たつもりですが、では、すっきりしない私に何が足りなかったのかと考えてみると、「純粋な利他の思い」だったと思い当たります。
利己主義と利他主義
極端な利己主義(エゴイズム)は「、自分以外の他者すべてを、自分と利益を奪い合う敵対関係・ライバルと見なす考え方であって、この価値観をもっていると、他人の幸せ・喜びを一緒に喜べないどころか、妬んだり妨げたりする」ことさえあります。
では、利他主義とは?
他人を、「自分と利益を分かち合うべき仲間・同胞とみなす考え方であり、この価値観をもっていると、他人の幸せ・喜びを一緒になって応援・支援できるようになります。」
この思想は、アドラー心理学における、他者を仲間とみなす「共同体感覚」に似た要素があります。
この「利他主義」という言葉は、「利己主義」の対抗概念として、フランスの社会学者オーギュスト・コントによって造られた造語です。
自己犠牲を払ってでも、他人のために貢献(献身)しようとする思想や考え方で、利他主義を実践する人達は、多くの人の好意・承認・尊敬を得るようになります。
例えば、お釈迦様やイエス・キリストらの聖者と呼ばれる人達、「クリミヤの天使」と呼ばれるナイチンゲール、更にはマザー・テレサ、マハトマ・ガンジー、シュバイツアー博士…等々。
歴史を振り返り、世界中に目を向けると、枚挙にいとまがありません。
どんどん話が大きくなってしまいました。
私は、そんな聖者や偉人になれるとも、またなりたいとも思っていた訳では毛頭ありません。
身近に見聞したり接する方々の中にも、尊敬する人、憧れたりモデルにしたい人は沢山いらっしゃいます。
三浦綾子さんの小説「塩狩峠」を読んで
覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、これは、「北海道旭川の塩狩峠を舞台に、大勢の乗客の命を救うため、雪の塩狩峠で自らの命を犠牲にした、若き鉄道員の愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問うた作品」です。
私は、高校生か大学生のころに読んで、その崇高な誠の心、勇気に、小説ながら強い衝撃を覚えまたことを思い出します。
現代のお仕事でも、警察官、消防士、自衛官、SP、海難救助士…など、日々命がけで社会の平和と安全を守ってくださっている方々。本当に頭が下がります。
ふとここで、頭が煮詰まって来たので、今の世の中ではどんな職業を危険だとみなされているのか?何だか気になって検索してみました。
①新薬の治験モニター
②高所電線作業員
③漁師
④スタントマン
⑤パイロット
⑥木こり(林業)
⑦警察官
⑧炭鉱労働者
⑨トラック遠距離運転手
⑩ゴミ収集業者
日本だけのアンケートではないとしても、私の常識が覆されて驚いたので記載しました。
本題に戻って
利他主義の特徴
いろいろな特徴が挙げられますが、これから今の私が実践できそうなことを選んで考えてみることにします。
◎まずは、お金やモノを多く所有することが幸せだとは考えない。
(足るを知る。常に断捨離をしながら、生活に必要なお金・モノに感謝する。)
◎自分が損か得かを第一義に考えないで、誰かの何かの為になるなら喜んで行動する。
◎みんなで一緒に幸せになりたいという共感感情・連帯感を育てる。
◎環境や人間関係で苦しみ悩む人達の、少しでも解消や癒しになるなら、カウンセリングでサポートを厭わない。
―――大したことはできないかもしれませんが、ここから始めて行きたいと思いました。
(2021年12月12日 若杉)