質問が気づきを促進する

幾つになっても、常に生き方・在り方を問い続ける

山崎啓支先生の『コーチング・ハンドブック』に、「人生の質は「問い」「空白」によって決まる。」「質問によって、私たちの思考の方向と深さが決まる。」と記されています。
最近、それを裏付けるかのように学びの仲間から、心に響く鋭い質問を幾つか投げかけられました。
その中で特に印象に残る質問を挙げてみますと、

  • 「あなたは、もし1分後に死ぬとしたら、この人生は幸せだったと思えますか?」
  • 「いま課題に思っていることは、本当にやりたいことですか?」
  • あなたがとても敵わないと思う人は、どんな人ですか?」

会話の流れの中での質問でしたが、軽々しく表面的には答えられず、長い沈黙を要して本心を探ってみなければなりませんでした。

今振り返って、幸せだったと思える人生

一番目の質問を問われてみて、様々な出来事が思い起こされました。
嬉しかったこと、苦しかったこと、楽しかったこと、悔しかったこと…。
では、今現在は…?
「全ての出会い、出来事には各々意味があり、人生の根底はすべて愛である。」――という学びを得て、スッキリといつもそう思えている訳では毛頭ありませんが、理論的には受け入れていますので、物事の本質を見て行けば、あとは自分の捉え方次第。
超一流の方々に出逢い、学びの友に出会い、時代や環境にも恵まれて、総括して平静に顧みて、「幸せだった!」と心から感謝が湧いてきます。
このように答えることのできている自分に軽い驚きを覚えながら、人生の本質を学ぶことが出来て、そういう心境になれたことが、何よりも幸せだったと思います。

本音と建て前

二番目は、師事している先生から、これからの人生目標をどう立てるか…という私の課題に対して、「自分がどう活躍するかというよりも、実力や夢がありながら活躍の場が得られずに葛藤している人たちの為に、『活躍の場』「「枠組み』『仕組み』を提供する。」という案を示唆していただいたことを受けて。
「では、どのように展開していけばいいのか…?」という私の課題をテーマにしてセッションをしていた時に与えられた質問です。
しかも、長い沈黙を挟んで三回も発せられた言葉です。
私としては、大切な役割だし、できるものなら勿論やりたいと思っている(つもり)でした。
少し経って、「本当にやりたいと思っているなら、すでに何らかのアプローチや行動が始まっているはずですよね。」という鋭い言葉が発せられました。
これは、質問者自身がご自分の問題として、深い共感を持ちながらの発言だという重みが加わって感じられました。
「確かに…!」
自分の本音をしっかり掴んで認識していないと,建て前で悩んだ振りをしていても、何も進みません。この件は、継続して悩み続けようと思っています。

敵わないと思う心理

ある分野で本当に物事を極めている人と話をすると、オーラも含めて圧倒されるというか、『能力、知識、才能、資質、センス』の面で、明らかに優っていて、勝負にならない。
ぶれなくて、信念を持っていて、いわゆる「本物。プロフェッショナル」。
元メジャーリーガーのイチロー選手が、あるインタビューの中で、
「感情を出したら、絶対に負けます。何故なら、冷静な人には敵わないからです。」と、語っています。
特に勝負の世界では顕著かもしれませんが、冷静に対処できる人が尊敬されています。
また、小説家今野敏(こんの びん)氏の人気シリーズ、「東京湾臨海署安積班」。そのメンバーの中に、須田三郎刑事が登場します。
彼は、太っていて、のろまで要領が悪く、表面的にはあまり評判は芳しくない役どころとして描かれています。
が、時間が経つにつれて少しずつ持ち味が出てくると、不思議な力を発揮します。
彼は、内面では人一倍いろいろなことを考えています。どんなに怒鳴られても殴られても、信念は絶対に曲げない。諦めない。そんな姿に同僚の刑事達は「敵わない」という思いを描きます。
テレビ化のキャストでは、お笑いのドランクドラゴンの塚地武雄さん、俳優の松尾諭さん、落語家の林家たい平さんが演じています。何となくイメージが湧いていただけるでしょうか。
自分の評判や地位・名誉に固執せず、正義や信念に基づき、強さと優しさを備えている生き方・在り方を貫き通す…。こんな人は本当に敵わないですね。
日常生活では、日々スケジュールに追われ、気が付くと1日が、1カ月が、更には1年があっという間に過ぎて行きます。
無意識に流されることの多い私達にとって、時には立ち止まり、衝撃を与えられる質問を投げかけてくださる学びの友の存在は、有難く幸せなことだと感謝しています。

(2021年11月28日 若杉)

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