「やめる」という選択

続けてきたことをやめるのは難しい

先日あるオンラインミーティングで、ある人から一年ほど続けていることを今後も同じようにやり続ける方がいいかどうか迷っているという話がありました。
仕事のために毎日続けていることだが、それを続けるのが苦しくなってきたというのです。
さりとてそれに代わるものがないとやめるのも難しい、と。
とても共感しました。
よりよい成果を求めて始めたことに対して、最初は続けることに苦しみながらもなんとか習慣のようになってきたとすると愛着もひとしおです。
続けない方がいいとどこかで分かっていても、今度はそれを続ける方を選びたくなってしまう気持ちはよくわかります。
私もこの一年ほど「習慣」というものに向き合ってきたので、良くも悪くも習慣になっていることを断つことは常に大変だと実感しているからです。

気づかないうちに習慣になっていることを断つのも難しい

昨日から読み始めた本があります。
『News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』という本です。
知人が大変影響を受けたというので興味をもちました。
簡単にいうと「ニュースは断ったほうがいい」という内容です。
ここで言うニュースとは、テレビやラジオ、新聞、雑誌、ネットニュースなどで提供される細切れの情報のことで、その対極として挙げられるのは長い形式のもの(新聞・雑誌の長文記事、ドキュメンタリー番組、本など)です。
私も最近、以前よりはSNSやニュースから距離を置いているので、書かれていることが腑に落ちるところがあり、今月のメルマガでもお薦めの本として載せてみました。
そもそも私たちはどれだけニュースを見ているんでしょうか?
スマホには新しいニュースのお知らせが常に届きます。
何気なく開くと短めの記事とともにコメントの数が表示されたりします。
人はどう思っているんだろうなどと興味をもったら、延々とそれらのコメントを読んでしまうこともありますね。
心が温かくなるような記事やコメントばかりだと気分がよくなりますが、悪意を感じるようなものを読むと心がザワザワします。
それらの総時間を合計したらかなりになっていると容易に想像がつきます。

「能力の輪」の境界

本の中で伝説的な投資家ウォーレン・バフェットの下のような言葉が引用されていました。
「自分の能力の輪を知り、そのなかにとどまること。輪の大きさはそれほど大事ではない。大事なのは輪の境界がどこにあるかをきちんと把握することだ」
「能力の輪」とは自分の得意とする分野のこと。
その境界がわかっていれば注意を向けるポイントを集中させることができ、時間や他のリソースを節約できるということです。
自分の好きなこと、得意なことを見つけ、そこで名人になることを目指し、そこに必要な情報を脳に取り入れ、その他はゴミ箱に入れる。
潔くそのような選択ができたらどれだけいいかと思います。

やめるにはどうしたらいいのか?

やめるのがニュースかどうかは別にして、私たちが何かをやめるのはなかなか大変だと冒頭で書きました。
私たちはどのような条件があればやめられるのでしょうか?
その一として、やめることで良い結果が予想されるときです。
お酒をやめると痩せるとか、家族に喜ばれるとなったらやめやすくなります。
もう一つは、やり続けることで悪い結果がもたらされるという事実に直面したときです。
喫煙を続けると寿命が縮まることが説得力のある資料によって理解できたらやはりやめやすい。
この本の中には後者の例がかなり書かれています。
全面的にニュースを見ないということは無理でも、少なくとも大幅に減らすという選択はできそうな気がしました。
みなさまは何をやめたいですか?

(2021年8月1日 岩田)

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