『コーチングハンドブック』の読書会で思うこと

何度読んでも深い学びがある本

『コーチングハンドブック』は、2016年に、能力開発トレーナーの山崎啓支(やまさき ひろし)氏が、「コーチングを使えるようになる秘訣を学ぶ」ためにまとめられた、400ページの本です。

私は、市民大学の主催で4回、その他の対話会やグループで2回読書会を開いてきました。
その都度、予習のために個人でも読んできたのですが、不思議と何度読んでも新鮮な学びがあり、飽き性の私にしては特筆すべきことです。
今日は、この本の内容や魅力だけでなく、「読書会」だからこそ気づいたこと・学んだことについて考えてみたいと思います。

「はじめに」書かれた中で、「一番大切な部分は『センスの磨き方』だと言われ、「Doing(方法)を身につけることではなく、Being(存在)を磨くことです。」と記されています。
存在を磨く――? 読書会を始めるにあたって、最初にぶち当たる難関です。

ここからモヤモヤが始まりますが、まあ分からないことは空白にして読み進めていく内に、第3部の第9章あたりから、漠然としてはいますが著者の意図が垣間見えて来て、ほんの少し気持ちが落ち着いてきます。
が、1度や2度読んだくらいでは、なかなか日常生活の場面で使いこなすのは至難の業です。
一人で読んでいた時には、あまり意識に止めずに読み飛ばしていた「言葉」や「ニュアンス」を、参加者の方から提言されて驚くことがよくあります。

例えば、「高い能力ってどういうこと?」とか「ありのままに見るってどんな状態?」「直観ってどこからくるの?」「主体的に生きるってどういうこと?」……自然な疑問が次々と湧いてきます。

そこから対話が広がります。
自由に、ご自分の意見や体験のエピソード、メタファー(比喩、例え)などが飛び交います。
この対話では、正解を出すことが目的ではありません。
例え同じメンバーであっても、時と場によって感じ方や考え方が違ってくるので、いつもこの時間が一番楽しいです。

この本には、コーチングに関心がある方だけでなく、コミュニケーションに関する分野のお仕事に携わっている方、営業職、教職、管理職、研修講師、医者や看護師など医療関係の方、対人支援職の方、子育て中の方など、専業主婦の方も、どんな職種や立場の方々でも役に立てる内容が満載されています。
二年前に対話会のグループで、2か月に1回進めてきた「読書会」が、この1月から新しいメンバーを加えて、また第1章から読み始めることに!
解説のご希望もあったので、1章ごとに内容を整理して分かり易くお伝えすることになりました。
一緒に熟読した後、要点を外すことなく、どれだけお伝えできるか…と思うと、更に予習への真剣さが増してきます。
また、一段と学びと気づきが深まると思うと、嬉しい気持ちが湧いてきます。

市民大学でも、1月19日(日)午後1時半~4時半の3時間、「読書会―第1章」が始まります。
ちなみに、2章は2月16日(日)の予定です。
初めての方も、お久し振りの方も、どうぞお気軽にご参加くださいませ。

コーチングハンドブックの「おわりに」の中で、
「どうか、力強い存在になってください。信じてもらいたいのは、あなたは自分自身を深めるだけで、力強い存在になれるということです。自分を深めるだけで、あなたは自分がすでに偉大だということに気づくのです。すでに知っていることを深めるだけで、人間は豊かになれるのです。そしてそのことに気づくための最良の方法の1つがコーチングなのです。」と記載されています。

コーチングとは、いろいろな定義のなされ方がありますが、本書には「人がより良く生き、チームが最大の力を発揮できるよう支援するプロセスとパートナーシップです。」と定義されています。
これは、家族間にも効果的に応用できます。
私は、最近はカウンセリングのセッションの中で、コーチングのセンスや技法を多く活用するようになりました。
お蔭で、クライアントの方には効果的に理解してもらいやすくなりました。
皆様も、コーチングを学ぶことによって、日常のコミュニケーションを今一度見直して、一層のより良い人間関係を築く一助にしていただければ幸いです。

では、「読書会」でお会いできるのを楽しみにお待ちしております!
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

(2020年1月12日 若杉)

コーチングハンドブックの読書会のご案内はこちらです。

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