30年以上カウンセラーとして活動して思うこと
ロジャースの来談者中心療法
最近、「カウンセリングについて」深く見直す機会が与えられ、久しぶりに図書館通いをして、事例研究や講演集を読んでいます。
私が実際にカウンセラーとして活動し始めて、30年以上が経ちま
心理学セミナーの講師として、福岡、広島、神戸、大阪、名古屋、群馬…で、お話しする「場」が与えられ、その受講者の方々にカウンセリングをさせていただいたのがきっかけです。
大学での専攻は、精神分析学のフロイトでしたが、実際に影響を受
ロジャースは、それまでの医者と患者という上下の関係から、相談
彼は、カウンセラーの条件として、次の三つを挙げています。
①無条件な積極的関心・積極的尊重
②共感(悩み・苦しみ・悲しみ・喜び…)
③自己一致(言っていること、感じていること、思っていることが
たった三つに要約されていますが、実際には、これらの条件が如何
目の前の人を、価値判断無く受け入れ、ありのままに接する、性別
それでも、経験を重ねる中で、それらを一旦脇に置いて、とにかく
ユング研究の日本での一人者であり、文化庁長官も務められた、河
人間の心についての研究はもとより、相手の話をただ受け入れるだ
更に、どういう言葉を使い、声音・強弱・スピード…と表現を考え
自分に足りない点、弱いところを見極めた努力が必要だと。
勝負師であり、芸術家…という表現は、とても心に残りました。
クライアントの問題は私の問題
カウセリングをする中で、クライアントの方々が、「自分が好きで
ニュアンスの違いはあっても、これは、まさしく「私の問題だ!」
「自分自身を受容したとき、人間には変化と成長が起こります。」
クライアントを無条件に受容し、尊重するには、カウンセラー自身
私は、自分自身が嫌いではありませんが、かと言って、全て大好き
好きなところも嫌いなところも両面あります。
変わりたいけれど変わりたくない私も居ます。
この矛盾した中途半端な両面を、ただあると認めて受け入れること
クライアントからの問題提議は、自分を見直す有難い機会だと心から思うようになりました。
共感の偉大さを実感した出来事
最近、生まれて1か月半の孫を預かることがありました。
眠っていたので、娘が用事を済ませる間、気軽に預かりました。
20分を過ぎたころから目を覚まして、お腹が空いているのに気づ
段々本格化して、あやしても抱っこしても、エスカレートするばか
泣き叫ぶ声に、近所迷惑を気にしながらも、もうお手上げです。
その時、ふと「共感」という言葉がよぎりました。
「そうだ。お腹が空いて、辛い・悲しい・分かって欲しいというこ
そう思って、泣きじゃくっている赤子を抱き上げて、顔を見ながら
すると、何と泣き止んで、安心したかのような顔をして、ホーっと
思わず私は、「有難う」と、誰にともなく感謝を捧げました。
それからしばらく、軽ーく泣き顔はするものの、落ち着いていい子
寄り添う・共感する――この偉大さを体得させていただいた感動の
これからお出会いするクライアントさんの課題に、何も言えない・
そんな時、この体験を思い出し、ただ共にいること・理解して、寄
(2018年9月9日 若杉)