『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』

争うと運を落とす

毎月1日のメルマガにお薦め本のご紹介をしていますが、今月は今年2月に亡くなられた西中務先生のご本にしました。

最近弁護士の方のお仕事を少しだけ垣間見る機会があります。
それまで弁護士という職業に漠然と華やかなイメージを描いていましたが、現実はどうもそうではないみたいです。
困りごと、争いごとに巻き込まれた当事者を支えるという仕事は、実は地味で根気のいる仕事。
そして、困っている多くの人と出会う仕事です。
西中弁護士は、運のいい人、悪い人に数多く出会った結果、「運の良くなる生き方」という経験則を本にされました。
私がまず驚いたのは、裁判で勝訴した後に不幸になる人が珍しくないという話です。
争いは恨みを残すからなのだそうです。
一万人の人生を見てきた著者の実感だというこの事実はちょっと衝撃でしたが、説得力があります。
大方の人は争ったら勝ちたいと思うでしょう。
私自身、表面的には争わない体質にはなりましたが、それでも内面では勝ちたい気持ちはなくなっていないと思います。
が、勝っても運を落とすのだそうです。
結局争わないことが大事なんですね。
確かに、負けたら相手を恨み続け、勝っても相手の恨みを買うとなったら、争うことには意味がありません。
損得で考えたとしても、争いは得にならないのだなぁと納得しました。
さらにこの本では、道徳的な罪を犯すことも運を落とすと書かれています。
例えば、ひとつの会社にしか行けないのに内定を2つもらうことは誰かの機会を奪うことになり、道徳的な罪だというのです。
今や就活生なら誰もが当たり前にしていることでもあり、そこまで厳密に?と思ってしまいますが、その理由も書かれています。
道徳的な罪もまた償わなければならないのだそうです。
気づかずにいろいろ道徳的罪を犯してきたのではないかと、我が身を振り返りました…。

どうすれば運がよくなるのか?

そうなってくると、どうしたらいいの?という疑問が浮かびます。
その答えも詳しく書かれていますが、読みようによってはどこにでも書かれている当たり前のことです。
ただ、知っていることとできていることは同じではありません。
ほとんどの場合、知ってはいてもできていないのが現実です。
私も知っているだけということの方が多いです。
西中弁護士は、生涯を通して運の良くなる生き方を実践された方です。
それが本の端々から伝わってきました。
そして、運を良くするためではなく、結果として運が良くなるような生き方をすることが大切なのだと教えていただきました。
当たり前のことを当たり前にすること、いくつになっても課題です。

(2018年9月2日 岩田)

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