話し方も伝え方も磨くことができる

「話す」と「伝える」ってどう違うのでしょうか?

明鏡国語辞典によると、「話す」とは、「まとまった意味内容をもつ事柄を口に出して伝える」こと。「伝える」は「ことばなどである内容をもった事柄を知らせる」こと。
どちらもほとんど同じじゃないかと思いました。
他の辞典ではもっと違う表現がされているのかもしれません。
私の印象だと、「伝える」の方が明確に相手の存在を感じられるような印象です。
目の前の相手に対して、どうしたら自分の考えや思いを受け取ってもらえるのかと、心をくだいているようなイメージです。
みなさんはどうですか?

最近、自分の話し方が変わったと感じたこと

昨日は「美味しい絵本セラピー」でした。
純粋に絵本と対話とお料理を楽しめる場が好きで、時間が許せば参加しています。
(それって何?と興味を持たれた方は、以前の投稿をご覧ください)

毎回3冊の絵本が用意され、1冊ずつ読んでもらう毎に参加者が感想を言い、さらに自由に対話をするという場です。
最初の1冊は、『おじいちゃんがおばけになったわけ』という本でした。
以前、子どもの小学校で読み聞かせをしていた時に読んだ覚えのある本でしたが、今回はまた違った味わいがありました。

で、絵本セラピストの國本ひろみさんから、最初に感想をふられたので、口を開きました。
話しながら、意外になめらかに言葉がでているなぁと、自分でちょっと驚きました。
以前に比べて自分の言葉が整理されているように感じたのです。

「美味しい絵本セラピー」は始められてから5年ほど経つそうですが、私の初参加は4年前ぐらい前だったでしょうか。
その時感想で何を言ったのかなど、もちろん覚えていません。
ただ、感じていることを言葉にすることが難しくて、言いたいことの半分も言えなかったという記憶だけは残っています。

そう、セミナーをする立場でありながら、自分のことを話すのは得意ではありませんでした。
特に感じていることを言葉にすることは苦手でした。
たくさんのことを受け取っていることは確かなものの、それを短時間で取捨選択し、言葉にして外に出すのが負担だったのです。
最近は、言葉にすることが苦にならないばかりか、楽しくさえ感じられるようになっているというのは、我ながらちょっとした進歩です。
理由のひとつは、「ロジカルに(論理的)」を意識して、読んだり話したりするようになったからだと思います。

「どうしたら伝わるのか」に焦点を当てる

「伝える」は相手の存在を意識しているイメージだと書きました。
意見を言う、感想を言うというとき、ともすれば「いかに(自分が)言葉を上手に使えるか」というところに意識を向けがちです。
私もまだまだそういう部分があります。
一方、「どう話を組み立てたら相手にわかりやすいだろうか」とか「どんな言葉を使ったら相手が受け取りやすいだろうか」というように、相手を意識することで伝え方は変わります。

組み立てという部分ではある程度、論理的な流れも必要でしょう。
「確かにそうよね」と自然に納得できるような論理性があると伝わりやすいはずです。
また、相手に「伝わる」ためには、共感しあえる部分も大事です。
言葉の使い方に工夫が必要ですし、なにより自分の「あり方」も重要でしょう。
「聴くこと」はコミュニケーションの基本として大切ですが、「伝えること」も同じように大切だとつくづく思います。

「相手」は出会う数だけ存在し、ひとりの「相手」も出会うタイミングによって異なる面を見せてくれます。
「伝える」ということは、その瞬間の相手と向き合うこと。
一生かかっても「伝える達人」にはほど遠い状態かもしれません。
それでもちょっとした進歩を喜びとして、出会いを楽しみたいと思っています。

(2017年10月29日 岩田)

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