外国語学習で気づいた聴き方の回路

フランス語のレッスンで困ったこと
月1回ですが、先週からフランス語の個人レッスンを受けることになりました。
そこでちょっと気づいたことがあります。
レッスンは、フランス人の習慣についての文章を読みながら進みます。
大事な単語があると、先生がその単語を使った例文を作り、私がそれに倣って簡単な文を作ったりします。
困ったのは、先生が作った文を繰り返すよう指示された時です。
それも「これを繰り返して」という指示がなく、いきなり何か言われて、「今言ったことを繰り返してみて」と言われるのです。
例えば「フランス人にとって美味しい食事は大事なことのひとつです」と、いきなりフランス語で言われ、「今言ったことを言ってみて」という具合です。
大まかに何を言っているのかわかっても、その文を構成している単語を正確に再現することはできませんでした。
もちろん、私の語学力という問題はあります。
が、それ以上に、これは聴き方そのものに関係しているような気がしたのです。
聴き方のクセとは?
少し考えて私が気づいたのは、普段私は相手の話の雰囲気を聴いているのだ、ということです。
雰囲気というのは、話の全体像とか流れとか、伝わってくる気持ちとかをひっくるめた全体像というようなイメージです。
だから、たとえその一言が日本語であっても、よほど短くない限りは相手の言葉を正確に再現することはできません。
(コーチングには「くり返しのスキル」というのがありますが、それは相手の言葉の一部のくり返しをすればいいので、問題なくできます)
先ほどのフランス語を復唱するという時に使う聴き方の回路は、いつもの回路とは全く違いました。
え?どんな言葉が使われていたっけ?
と、戸惑ったことで、違う回路が存在していたのだと気づきました。
(誰にとってもそうなのかどうかは、わかりません)
人間の焦点は一度にひとつといわれます。
聴き方の焦点も、私の場合、全体を大まかにつかむことに意識を向ける習慣がついているため、細かいところを正確に聴くということは難しくなっていたのでしょう。
今回の気づきをきっかけに、その焦点を少し意識し、できれば意識的に移動させてみたいと思いました。
理想は、大まかにも微細にも同時に意識を向けることができることです。
(ひとつの焦点しかもてないという限界を打ち破る必要があるので、難しそうですが…)
今さらフランス語を勉強して何かしようとしているわけではありません。
趣味としてささやかに続けていこうかと思っていただけですが、意外にも聴き方を鍛える場になりそうです。
(2017年7月4日 岩田)