聴き上手になるための3つの心構えー聴き方のレッスン(1)
ちゃんと聴くって実は難しい…
時々ひとりでカフェに入ります。
長々と過ごすことはありませんが、本を読んだりしながら、少しホッとする時間です。
ひとりだと、まわりの会話がよく耳に入ってきます。
子供の話に花を咲かせているお母さん方のグループからは、
「うちの子、〇〇なのよ~」
「いいわね~!うちなんか、△△で…」などとにぎやかな声が聞こえてくることも…。
お互いに話を聴き合っているというよりは、話したいことを言い合っている様子です。
いろいろ喋って「あ~、スッキリした~」と思えるのなら、その時間も価値あるもののはず。
そもそもほとんどの人は「話すこと」も「聴くこと」について、まともな訓練は受けていません。
「話す」方は、人前で発表しなくてはならないなど、必要に迫られて、上手に話すことを意識することはあるでしょう。
一方で「聴く」となると、カウンセラーなどを目指す人以外は、特に自分の聴き方を見直そうとは思わないのではないでしょうか?
でも、人間関係を良くする大きなポイントは「聴く」ことにあるのです。
自分の話に熱心に耳を傾けてくれる人が目の前にいたらどんな気持ちになりますか?
多くの場合、心地よく話を続けられると感じるでしょう。
普段無口な人ほどそれを実感するはずです。
人は自分に興味をもち、認めてくれる人に好感を持ちます。
真剣に話を聴くというというのは、まさに相手を認める行為です。
人と良い関係を築くには、自分の方から相手に関心をもち、相手を理解しようとすることが近道です。
どうしたらもっとよく聴けるのか?
そんな問いかけを自分にしてみることがスタートです。
しばらく聴き方について、書いてみます。
よかったらお読みください。
話を聴くときの3つの心構え
では、どんな心構えで聴いたらいいのでしょうか?
研修でお伝えしている心構えのうち、3つをご紹介します。
①否定しない
ほとんどの人は、否定されたくないと思っています。
特に自分が好きなもの、大切にしていることを否定されると、もう二度と話したくないと思うものです。
仮に相手の好みや意見に共感できない場合は、あくまでも、ニュートラルな態度で、
「あ、そうなんですね?」と、肯定的な言葉を返したり、
「どんなところが好きなんですか?」などと質問してはいかがでしょうか?
相手が気持ちよく話してくれるかどうかはこちらの態度にかかっています。
②さえぎらない
自分が話したいことがあると、相手がまだ話しているのに途中で言葉をはさんでしまっているかもしれません。
無意識にやっていることはなかなか気づけないものです。
「さえぎらずに、聴けただろうか?」などと自問し、自分のクセを発見してください。
③アドバイスしない
基本的に人は自分で考え、自分で決めたいという欲求をもっています。
確かに悩んでいる時は、誰かにアドバイスをもらいたいと思うこともあります。
ただ、最後の答えはやはり自分で見つけたいのではないでしょうか。
コーチングには「答えは相手の中にある」という原則があります。
相手が困っているとつい、「~した方がいいよ」などと助言したくなりますが、極力控えてみるということです。
代わりに、相手が自分で答えを出せるようサポートする工夫をすることをお勧めしています。
(2016年11月16日 岩田)